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建設経済新聞社
2019/03/29

【京都】優良工事施工者表彰の有効期間 実質3年から2年に短縮へ 周知期間経て速やかに改正

 京都府は28日、30年度第7回総合評価競争入札委員会を開き、31年度総合評価競争入札(簡易型)落札者決定基準などについて報告した。
 総合評価競争入札における評価項目の見直しについては「地震、豪雨等の災害が相次ぐ中で、建設業者が地域の安心・安全の守り手として役割を発揮するためには、@安定的かつ継続的な仕事量の確保による経営の維持、A若手技術者等の担い手確保が不可欠」「技術力や経営に優れた企業を評価するため、18年度から総合評価入札方式を導入してきたが、各企業の努力により加算点の高得点化が進み、企業間の評価点差が縮小したことにより、一部の項目の評価が大きなウェイトを占めるため、落札者が固定化する傾向がみられる」と現状を分析。
 現在の総合評価制度に対する京都府建設業協会へのヒアリングで、▽「技術職員数の維持」や「同規模工事の最高評点」で高得点獲得を目指すため、高齢の技術者を雇用し続けざるを得ない▽「優良工事施工者表彰」は有効期間が長すぎる▽地域貢献(災害対応や除雪)に関する項目をさらに評価してほしい[北部]▽国の制度(若手評価等)を導入してほしい[南部]などの意見があった。
 こうしたことから、府は、担い手確保の妨げや固定化につながる運用の改正を図ることとした。
 担い手確保の妨げにつながる運用の改正(個人評価)では、「同規模工事の最高評点(配置予定技術者)における有効期間」について検討。近畿地方整備局を含む近畿府県の状況なども踏まえ、『有効期間を15年から10年に短縮」する方針(現状…過去15年間→改正案…過去10年間)。
 落札者の固定化につながる運用の改正(企業評価)では、3件以上落札している企業の落札状況(T等級(JV除く)・土木一式)や、近畿地方整備局を含む近畿府県の状況なども踏まえ、『有効期間を実質3年から2年に短縮』する方針(現状…表彰結果の通知日から翌々年度末→改正案…表彰結果の通知日の翌年度から翌々年度末)。
 「技術職員数の維持」における評価方法は変更し、『技術職員数を現状維持している企業をプラス評価』する方針(現行の評価方法…技術職員の増減状況に応じ、加算点0・7点、0・6点、0・5点、0・25点、0点→新たな評価方法…技術職員の減少状況に応じ、加算点0・5点、0・25点、0点)《=表参照》。
 上記3点は周知期間を経て速やかに改正する考え。
 また今後、地域の事情を考慮した様々な評価が可能な制度を検討する。
 具体的には、○緊急時の現場対応の検討○新規企業や若手技術者でも参加できる制度の検討○雇用の問題や災害対応に対するインセンティブを与える項目の検討の3項目について、制度検討の上、今後の委員会で報告するとした。
 このほか委員会では、30年度総合評価競争入札(標準型)の技術提案に対する評価について非公開で審議した。