北海道建設新聞社
2019/03/28
【北海道】札幌市が成績重視型入札で「3年型」試行
札幌市財政局は2019年度、成績重視型入札2年型の平均点算出期間を1年延長し、「3年型」で試行する。工種・等級別成績基準点を切り替える8月下旬から、5年型と3年型の2方式で運用する考え。算定期間延長による受注企業側の反応や影響、5年型との違いを検証する。
成績重視型入札は、工種や等級別に基準点を設け、企業が過去の一定期間に得た成績平均点が基準以上であることを参加条件とする方式。成績を参加条件に設定し、工事の品質確保を目的としている。市内業者に限定する入札を対象に採用している。
現行は成績平均点の算出で5年と2年の2方式を運用するが、それぞれ参加企業の7―8割が重複し、基準点に大きな差がない状況にある。
このため市は区分の必要性が薄く、事務負担軽減につながると主張。両方式の利点がある3年への一本化を、昨年12月の第2回入札・契約等審議委員会(委員長・高野伸栄北大公共政策大学院長)に提案した。
ただ、委員からは継続的な努力反映のため、5年型の評価や平均点の算出方法に検証を求める指摘があり検討を続けていた。
26日に市本庁舎で開いた第3回委員会で、市は5年にわたり毎年成績点を持つ企業が、入札参加の23%、工種によっては10%未満と継続評価が難しい状況を報告。
その上で3年型への統合を視野に、19年度は2年型を見直した3年型の検証を提案。20年度以降に、5年型の廃止を検討するよう求めた。算定方法は現行通り。
委員会では制度の有用性を確認したが、くじ引き落札の多発など環境変化を踏まえ、市が提案する3年制の検証を容認。一本化の判断は、その検証後に先送りすることにした。