建設新聞社
2019/03/26
【東北・青森】弘前市が樋の口浄水場改築の実施方針を公表
青森県弘前市は、老朽化した樋の口浄水場および常盤坂増圧ポンプ場の更新を計画しており、DBO方式の発注に向けて、選定スケジュールや事業者の参加資格などに関する実施方針を公表した。
本事業は、青森県弘前市の基幹施設となる樋の口浄水場と常盤坂配水ポンプ場が築後50年以上経過し施設の老朽化が進んでおり、2004年に実施した耐震診断で耐震性を有していないことから一体的整備を行うもの。
新樋の口浄水場は、既存施設の南側の市有地となる弘前市悪戸鳴瀬242の1ほか地内の約2万9000平方bに建設。 岩木川水系岩木川を水源とし、計画浄水量は3万8000立方b/日とし、処理方式は粉末活性炭+凝集沈澱+急速ろ過+機械脱水で計画。また、新常盤坂配水ポンプ場は、現施設の東側の市有地の弘前市常盤坂2の17の4ほか地内の約2000平方bに整備する。最大送水量は、2万3900立方b/日としている。
事業スケジュールは、4月5日まで実施方針に関する質問・意見の受け付け、公募型プロポーザル公告および募集要項等の公表を7月に予定。説明会および現地見学会を8月に行い、8月中に参加表明書および資格確認申請書を受け付け、9月に審査結果を通知。12月に技術提案書の受け付けおよび締め切り、20年1月にプレゼンテーション、同年2月に優先交渉権者の決定を予定している。
発注方式は、設計業務、建設工事、運転管理業務を一括で発注するDBO方式を採用。
実施方針によると参加資格は、弘前市内に本社または本店を置く建設企業1社以上を含む複数企業で構成されるJVおよびSPC(特別目的会社)のグループとし、更新対象施設の設計を行う「設計企業」、土木工事を行う「土木企業」、建築工事を行う「建築企業」、機械設備工事を行う「機械企業」、電気設備工事を行う「電気企業」および運転管理業務を行う「運転管理企業」を含む企業により構成されることを基本とする。
各企業の参加資格は、設計企業が土木関係建設コンサルタントおよび建築関係建設コンサルタントの登録者で、04年度以降に国内の表流水を水源とする 1万立方b/日以上(公称能力)の上水道における凝集沈澱、急速ろ過方式の浄水場の実施設計(基本設計および詳細設計)の実績を有することなど。
各建設企業の資格は、土木一式工事が、経審の総合評定値1500点以上、建築一式工事が同1500点以上、機械器具設置工事が同1100点以上、電気工事が同1400点以上としている。また、機械器具設置工事においては、04年度以降に元請けで、浄水処理能力が1万立方b/日以上の凝集沈澱施設(上水道に限る)および1万立方b/日以上の急速ろ過施設(上水道に限る)の新設または全面更新をした工事実績を有すること。
応募グループのうち、弘前市内に本社または本店を置く企業については、土木一式工事、建築一式工事、電気工事が各A等級に登録されていること。
運転管理企業は、国内で水道事業または水道用水供給事業に係る河川表流水を水源とする施設能力1万立方b/日以上の浄水場(急速ろ過方式)で24時間連続して運転監視における運転管理業務委託の実績を有することなど。
設計着手が20年4月、工事着手が21年10月ごろを予定し、26年3月ごろの完成。運転管理期間は26年4月から41年3月までの15年間としている。なお、DBO方式の実施に向けたアドバイザリー業務は日本水工設計が担当した。