県県土整備部河川整備課は21日、千葉市内のホテルプラザ菜の花で九十九里浜侵食対策検討会議(座長・近藤健雄日本大学名誉教授)の第4回目を開催した。会議では、九十九里浜侵食対策計画案について、委員の意見を踏まえた見直し案が提示された。事業期間を2020〜49年度までの30年間とし、1〜3期に分けて事業を実施。養浜と施設整備をセットで実施することで、目標とする砂浜幅40mを目指す。総事業費は約240〜340億円を見込む。
養浜は全体で年9万m3(北九十九里2万m3、南九十九里7万m3)を予定。施設整備は、北九十九里(飯岡漁港〜片貝漁港)でヘッドランド縦堤延伸2基、南九十九里(片貝漁港〜太東漁港)で離岸堤7基、ヘッドランド(改良含む)9基を整備する。北九十九里のヘッドランドは、匝瑳市の9号、11号ヘッドランド縦堤を延伸。南九十九里の離岸堤は、九十九里町に3基、大網白里市に1基、白子町に2基、長生村に1基を整備する。
このうち1期では、北九十九里において、旭市の飯岡海岸で離岸堤天端嵩下げ・撤去1基、匝瑳市の9号ヘッドランド・11号ヘッドランド間の縦堤延伸を実施。南九十九里では、白子町の中里海水浴場と長生村の一松海水浴場の離岸堤各1基を整備する。
養浜は、北九十九里で匝瑳市の8号ヘッドランドと9号ヘッドランドの間で年2万m3、南九十九里は九十九里町の不動堂で年1万m3、真亀で同0・25万m3、大網白里市の白里中央海水浴場で同0・25万m3白子町の剃金で同0・25万m3、中里海水浴場で同0・75万m3、長生村の一松海水浴場で同2・5万m3、一宮町の一宮で同2・0万を予定。
このうち1期では、匝瑳市の8号ヘッドランド・9号ヘッドランドで年2万立方mを実施。南九十九里では、大網白里市の白里海水浴場で同0・25万m3、白子町の中里海水浴場で同0・75万m3(初期2万m3)、長生村の一松海水浴場で、離岸堤設置に伴い同2・5万m3(初期2万m3)を予定する。また、一宮町の一宮海水浴場は養浜量を試験的に2万m3から3万m3に増量して実施する。
計画案は、前回での会議での意見を踏まえ、侵食対策手法や計画期間、実施内容を一部見直した。事業期間は1期10年とし、3期に分けて実施。20〜29年度の第1期では、関係者間で合意可能な対策から実施し、30〜39年度の第2期では、1期で実施した事業の効果・影響のモニタリングを行い、この結果をもとに事業を修正し、事業を実施。40〜49年度の第3期では、2期の事業効果・影響をモニタリングした結果をもとに評価を加え、海浜の利用状況や、新技術を考慮して内容を修正し、事業を実施していく。
事業費は、年間約8〜12億円を投入し、全体で約240〜340億円を想定。