県健康福祉部は20日、「千葉県千葉リハビリテーションセンター施設整備検討会議」(議長=岡田就将・県健康福祉部保健医療担当部長)の第3回目を千葉市内の県教育会館で開催。施設の役割・機能及び施設整備の方向性について意見を求めるとともに、新年度事業について報告した。新年度は基本計画を策定し、基本設計に必要な与条件を整理する。基本計画は、今月下旬から公募型プロポーザルにより募集を開始し、5月下旬に事業者を選定する予定。
会議では、岡田議長が「基本計画の策定に向けて、これまで議論を積み重ねたもの、さらに発展させたものとして、センターの役割機能、施設設備の方向性などの内容を深堀りしていく。将来にわたって県民ニーズに応えられるセンターの再整備に向けて、委員の皆さんから忌憚のない意見をいただきたい」とあいさつした。
新年度で策定する基本計画では、センターの再整備に向けて、求められる機能・役割を明確化し、今後の施設整備の指針として、効率的かつ効果的な設計を実現するための計画を策定する。
基本計画の内容については▽基本機能計画▽部門別計画▽施設整備計画の3つを柱に策定。基本機能計画では、整備の方針、機能・役割、経営分析、施設規模、医療機器・システム整備の方針などを整理。部門別計画では、医療施設、愛育園、更生園などについて、運営方針、機能・規模、部門別必要室、部門目標、配置方針、各面積、病棟構成などを検討。施設整備計画では、配置計画、工事行程、階構成、敷地利用計画、外部動線、環境対策、防災対策などについてまとめる。
求められる役割・機能及び施設整備の方向性については、本年度で実施している基礎調査の中で、関係機関、利用者、職員などを対象に実施したアンケート調査の結果などを踏まえ、県から委託を受けている環境システム研究所がまとめ、会議に提示し議論を進めた。
求められる役割・機能では▽総合リハビリテーションとしての機能充実▽地域リハビリテーション支援体制推進事業における千葉県リハビリテーション支援センターとしての貢献▽障害者の健康増進に向けた取り組み▽研究や開発、情報集約・発信の充実▽災害発生時の拠点▽関係施設との連携▽県内の専門職育成▽地域へのアウトリーチ強化――の8項目を挙げた。
施設整備の方向性では、役割・機能を踏まえ、障害者の医療環境の充実を目指した施設整備や、中長期的な需要と供給を踏まえた施設整備、新たな機能提供に対応した施設整備など10項目を提示し▽障害者スポーツへの取り組みや地域の障害者も利用できる体育館(講堂等)の整備▽低層階構成とした居住棟の整備(水平方向に避難可能な施設構造)▽職員の動きがスムーズとなるような動線に配慮した施設配置▽合理的な建て替え計画による低コスト・短工期での工事完成▽イニシャルコストとランニングコストのバランスのとれた経済設計――などが提案された。
検討会議は新年度で4回程度開催し、センターの機能・役割や病床数等について意見を求める予定。