東京都は2019年度、未利用都有地を活用した大規模な太陽光発電導入に向けた検討を始める。都庁内で賄う電力を全て再生可能エネルギーに切り替える「都庁版RE100」の取り組みの一環で、第二本庁舎での年間電力使用量に相当する約600万`h時の電力を創出する考え。都有地を貸し付けて民間事業者が出力5メガh程度の設備を設置することを前提に、事業スキームの検討や用地選定などの作業を進める。
都では庁舎改修などに合わせ省エネ化の取り組みを進めているが、年間3600万`h時(17年度実績)の電力を消費している。このうち第一本庁舎で使う電力(3000万`h時)については、毎年、入札により調達しており、19年度分の入札(環境への配慮を評価項目とした総合評価落札方式)から再生可能エネルギー100%を条件として設定する。
一方、第二本庁舎については、地域冷暖房センターから年間600万`h時を調達しているが、こちらは30年3月までの長期契約を結んでいるため、すぐに切り替えができない。そこで、未利用都有地に太陽光発電設備を設置し、年間使用量に相当する600万`h時の電力を創出することで、再生可能エネルギーの使用率を100%にすることにした。
現段階で想定している太陽光発電設備の規模は出力5メガh程度で、その設置には7f程度の用地が必要と見ている。19年度に開始する検討作業の中で、基礎工事の工法や東京電力送電網への接続、発電効率など与条件を整理しながら、事業スキームの検討や発電に適した用地の選定作業を行い、民間事業者の公募に備える。
第一本庁舎での再生可能エネルギー(電力)の導入と、都有地への太陽光発電設備の設置により、都庁舎での電気使用に伴って排出している1万7600d(2000fの森林が1年間に吸収する量に相当)のCO2をゼロにする方針だ。
提供:建通新聞社