冬季スタック車両の発生など交通の隘路に指摘されていた国道373号志戸坂峠道路(18・4`)が大掛かりなバイパスルートによって再整備されることになった。国交省鳥取河川国道事務所は19日、有識者による防災対策検討委で「延長5`区間の別線バイパス案が妥当と判断された」と発表。今後、検討委の結果を踏まえ設計検討に入る。
志戸坂峠道路は鳥取自動車道の一部を形成。西粟倉―智頭南間10・1`が97年、智頭南―智頭8・3`間が08年に開通しており、うち県境にある志戸坂トンネル(1630b)は一般道として81年に整備されている。
しかし、智頭南から西粟倉にかけての県境は勾配がきつく、降雪の際にスタックが過去5年間に14件発生するなど頻発。一般道の志戸坂トンネル内の事故も多発しており、迂回路もないことから、交通の遮断に直結する事態が課題にあがっていた。
防災対策検討委(委員長・谷本圭志鳥大院工学研究科教授)は今月に入って2回の会合を経て、「本区間の問題を抜本的に解決するにはバイパスは有効である」と結論付けた。
バイパスルート案は、福原PA付近から岡山県側の坂根交差点付近にかけて延長5`。現道の西側を迂回する線形で、区間内には延長1・4`と2・5`の連続するトンネルがある。総事業費は200億円を超えるものとみられる。
再整備は長期間にわたることが予想され、検討委では併せて短期の対策や現道の雪害対策についても必要性を検討することを付け加えた。
日刊建設工業新聞