近畿地方整備局福井河川国道事務所および北陸地方整備局金沢河川国道事務所は19日、「国道8号石川・福井県境部検討会」(委員長・川村國夫金沢工業大学教授)を両事務所をテレビ電話でつなぎ、開催した。その中で、現行2車線の県境部について、延長約2・5キロの別線海側トンネルなどによる4車線化整備ルート案を、概ね妥当と判断した。
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対象地区は国道8号県境部を含む石川県加賀市熊坂町からあわら市笹岡の現道延長約9キロ。18年2月の集中豪雪による通行止めが発生したほか、大雨に伴う事前通行規制区間(連続雨量180ミリ)があるなど課題が多い区間となっている。
この日は、事務局側が示す地域の課題、地形・地質の状況、経済性等を総合的に判断した整備ルート案について、委員らが専門的、技術的な見地から対策工事の技術的妥当性について議論。新ルート案が妥当であると判断した。
それによると、石川福井県境区間(約5キロ)は、冬期の安定的な道路交通を確保し、事前通行規制区間の解消等に優位な「別線海側トンネルによる4車線化」とする。
福井県区間(約4キロ)については、冬期の安定的な道路交通を確保し、区間内の防災点検要対策個所が解消される都市計画決定を踏まえた「現道拡幅による4車線化」とした。
国土交通省では今後、ルートについて、追加調査を行いながら具体化を図っていく。
石川・福井県境部では18年2月の大雪の際、車両1500台の立ち往生が発生し、自衛隊が救援に乗り出すなどの混乱を招いた。
このため石川県の谷本正憲知事、福井県の西川一誠知事ら関係自治体などでは早期4車線化を求めていた。