トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社(長崎)
2019/03/19

【長崎】県庁舎跡地整備方針案 広場、交流・おもてなし空間

概算事業費20〜25億
次期議会にも基本構想策定費提案

 三つの主要機能のうち「広場」と「交流・おもてなし空間」は県が主体となって整備し、概算事業費は20〜25億円―。県庁舎跡地の整備方針案が、7日に開かれた県議会総務委員会で説明された。跡地活用基本構想の骨格となるもので、主要機能の配置や土地利用の考え方なども盛り込んでいる。県では、今議会で整備方針をまとめ、早ければ次の議会定例会で基本構想の策定に必要な予算を提案したい考えだ。基本的な主要機能の配置
 
 方針案では、県庁舎跡地がさまざまな歴史の舞台になった場所でありそれをうかがい知ることができる石垣≠保存・顕在化。石垣上に「広場」「交流・おもてなし空間」「文化芸術ホール」の三つの主要機能を効果的に配置し相乗効果を発揮させるとした。

 このうち「広場」は、市役所通りからの景観確保に向け旧県庁舎本館の正面玄関前に配置。多様なイベントの開催に対応でき、日常的な憩いの場にもなる開放感のある十分なスペース(5000平方b程度)を確保。電源・給排水・照明の各設備の整備のほか、雨天時の対応も踏まえ屋根付きスペースを検討する。

 「交流・おもてなし空間」は、出島の眺望や出島からの景観確保と、石垣上と下とを結び付け、出島からの観光客を誘導するため出島に面した位置に配置。県庁舎跡地の重層的な歴史や、世界遺産を含む県内のさまざまな情報を発信する。さらに、長崎の食と食材の魅力をアピールするレストランや、気軽に利用できるカフェなども整備。スペースの有効活用の観点から、一部機能をホールと合築することも検討していく。

 「文化芸術ホール」は長崎市が整備主体となり、旧県庁舎本館跡地部分に配置。芸術性や専門性の高い講演に対応できる機能を備えた1000席〜1200席程度とし、舞台と同じフロアに楽屋・リハーサル室・練習室を設ける。

 方針案では、附帯機能にも触れている。具体的には▽出島をはじめ周辺景観を眺望できる展望機能を確保▽駐車場は、限られた敷地の有効活用や周辺駐車場の整備状況に配慮して方向性を検討▽交通事業者と連携しながらバスベイの設置を検討▽敷地北西端の第三別館は、大正期の建築を考慮。利便性や安全性を確保する改修、維持管理の費用負担も踏まえ保存・活用の方向を検討―。

 具体的な整備に当たっては、周辺景観と調和するよう『環長崎港地域アーバンデザインシステム』の対象として調整を進めていく。

 概算事業費は基本構想の中で機能を固めた上で算定する≠ニしつつ、広場と交流空間は、類似事例を基に20〜25億円と想定した。ここには、広場の屋根や石垣、第三別館関係の費用は含まれていない。ホールについては、今後長崎市が試算することになる。

 10月以降に埋文調査
 22年度にも一部着工

 県では、ことし10月を予定している既存施設の解体後、19〜20年度に埋蔵文化財調査を実施。並行して、広場と交流空間の基本構想の策定作業を進めたい考えだ。ここでは、詳細な機能や規模、配置、各機能の整備・運営主体、事業主体などを盛り込む。ホールについは、県の考えを長崎市に伝えた上で市が検討し、その結果を県の構想に取り込む。

 順調ならば20年度中に基本設計に着手し、実施設計を経て22年度中にも整備可能な箇所から着工。段階的に供用し25年度に整備を完了させたい考えだ。


ksrogo