19年度中に建設計画策定へ 検討委「現地建て替えが現実的」 波佐見町役場の新庁舎建設に向けて、有識者らで構成される庁舎検討委員会(兒玉盛介委員長)が検討結果を町に答申した。それによると、新庁舎は現地での建て替えが現実的とし、延べ床面積は約3000平方b程度が妥当だとした。町は答申を踏まえた上で、2019年度中には新庁舎建設計画を策定・公表したい考えを示している。
現在の波佐見町役場は1961年に現在位置(宿郷660番地、敷地面積6740平方b)に建設され、築58年が経過している。構造は鉄筋コンクリート造の2階建てで、延べ床面積は2819・24平方b。老朽化により設備の劣化が進んでいるだけでなく、耐震診断基準も満たしていない。委員会では耐震補強も視野に検討を進めてきたが、その場合だと耐震壁の増設などが必要になるという。それにより、通路や窓が耐力壁でふさがれてしまうなど業務への影響が出ることから、耐震補強は現実的ではないとした。
そのため、委員会は建て替えを推奨。建設場所については、現地建て替えが現実的だとした。理由としては、郵便局や金融機関、スーパーマーケットが近くに立地しているため市民の利便性は比較的高いことを挙げている。ただ、教育委員会が設置されている総合文化会館(折敷瀬郷2064番地)とは約700b離れていることも指摘。付近での建設(移転建て替え)を想定する場合は「現庁舎の敷地面積よりも広い敷地を確保できる可能性があれば、経済性を考慮して検討されることを望む」としている。
新庁舎の規模については、約3000平方bが妥当とした。委員会は、きらびやかで必要以上に大きな庁舎とならないように財政コストを意識した庁舎づくりを求めている。
町は、答申を元に新庁舎建設計画を策定する。本紙取材に対して町企画財政課は「答申を十分に尊重してまとめていきたい」と回答。19年度中にはホームページ上で公表したい考えを示した。その後は計画に沿って、新庁舎建設を本格化させる。
委員会では15年10月の会合を皮切りに、これまで10回にわたって審議。先進地視察も1回実施し、今回の答申をまとめた。