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建通新聞社(東京)
2019/03/19

【東京】都 旧こどもの城リニューアル、19年度設置の庁内会議で検討

 東京都は、国から取得予定の旧こどもの城のリニューアルについて、2019年度に全庁横断的な組織を立ち上げ、必要な機能とともに、コストを最小限に抑え既存の建物を可能な限り有効活用できる改修内容の検討を始める。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会時に暫定活用した後、劣化した施設・設備の改修を行ってできるだけ早期に「都民の城」として供用する考えだ。
 こどもの城(渋谷区神宮前5ノ53ノ1、敷地面積9924平方b)は、旧厚生省が都から土地を取得し、国立唯一の児童館として建物を建設して1985年に開館した。規模は地下4階地上13階建て延べ4万1690平方b。地階に駐車場や体育施設、プール、休憩室などを整備し、地上1〜5階に子どもの遊び場の他、レストランや売店、アトリウム、ギャラリー、青山劇場・青山円形劇場、プレイホール、音楽ロビー、保育室、屋上遊園などを配置。上層階は研修室やオフィスとして利用していた。15年度に閉館している。
 都は、既存施設の耐震安全性が確保されており、建物の状態も比較的良好なことから、適切に改修すれば活用が可能と判断。土地・建物を今夏にも国から取得し、まず20年大会時にボランティアなどの研修や資機材置き場、駐車場などとして活用する。大会後に既存建物の内外装の改修や設備の改修、バリアフリー化などの対策を実施。こどもの城がこれまで担ってきた機能や劇場などレガシーとして残しつつ、都民の学習やスポーツ、創業、人材育成などの場となる複合施設「都民の城」として当面の間、利用する。
 国が閉館の前に試算した、老朽化した施設・設備の改修費は約117億円に上るが、都ではコストを十分に見極める必要があるとしており、費用を最小限に抑えられるよう、既存の建物を可能な限り有効活用しながら、改修内容を精査していく。全庁横断的な検討組織を19年度に設置して具体的な改修内容の検討を進める。
 将来的には、近接する都職員共済組合青山病院跡地と国連大学敷地、コスモス青山の3カ所の都有地と合わせた約4・5fの敷地を一体的に活用する考え。国連大学の権利関係が更新期を迎える29年度を一体活用の最短の目安とし、こちらも19年度に地元区やまちづくりの専門家、文化関係者らを含めた有識者会議を設置して、具体的活用策についての検討を始める。

提供:建通新聞社