京都市交通局は15日、市バス・地下鉄事業経営ビジョン(2019年度〜2028年度)をまとめ、明らかにした。
市バス事業の設備投資計画によると、総額約220億円を見込む。内訳は、▽バス車両約130億円(2018年を基本として更新(更新車両数530両))▽バス待ち環境約15億円(バス接近表示器、バス停上屋等)▽バス車内設備約30億円(運賃箱、車内モニター、フルカラーLED行先表示器、車載無線機等)▽営業所設備改修等約25億円(建物外壁・屋上、バス整備設備、運行管理システム改修等)▽IC機器関係その他約20億円(データサーバ改修、定期券発行機改修その他)。
収支計画によると、資本的支出(@建設改良費A企業債償還金)は、▽2019年度…37億円(@25億円A11億円)▽2020年度…44億円(@33億円A10億円)▽2021年度…48億円(@33億円A14億円)▽2022年度…48億円(@31億円A17億円)▽2023年度…40億円(@20億円A20億円)▽2024年度…39億円(@16億円A22億円)▽2025年度…41億円(@18億円A23億円)▽2026年度…37億円(@19億円A18億円)▽2027年度…37億円(@15億円A22億円)▽2028年度…30億円(@12億円A18億円※なお億円未満の端数処理により、合計が一致しない箇所がある)。
地下鉄事業の設備投資計画によると、総額約740億円を見込む(烏丸線全駅への可動式ホーム柵設置費用は見込んでいない)。内訳は、▽地下鉄車両約270億円(新型車両、車両機器更新、検修機器等)▽信号保安設備約200億円(運行管理設備、ATC装置等)▽電力設備約140億円(電力管理設備、変電所設備、電気室設備、エレベーター・エスカレーター等)▽情報通信設備約30億円(自動出改札設備、券売機・精算機等)▽その他約100億円(駅出入口、駅空調、衛生設備、IC機器、駅ナカ改修等)。
収支計画によると、資本的支出(@建設改良費A企業債等償還金)は、▽2019年度…456億円(@84億円A371億円)▽2020年度…348億円(@109億円A240億円)▽2021年度…351億円(@107億円A244億円)▽2022年度…330億円(@114億円A216億円)▽2023年度…260億円(@72億円A188億円)▽2024年度…296億円(@73億円A223億円)▽2025年度…293億円(@50億円A244億円)▽2026年度…272億円(@54億円A218億円)▽2027年度…227億円(@46億円A181億円)▽2028年度…215億円(@36億円A179億円※なお億円未満の端数処理により、合計が一致しない箇所がある)。
建設関連の主なものをみると、地下鉄は、浸水対策の強化で駅出入口への止水板等の設置を行う。2019年度に3駅11ヵ所で設置するとともに、追加設置の計画を策定する。8駅16ヵ所に追加設置する予定。
烏丸線駅の行先案内表示設備のリニューアルは、2020年度に設計・発注し、2021年度に機器製作、設備更新を行い、順次駅ごとに更新する。
烏丸線への新型車両は、2019年度に実施設計に着手する。2021年度に新型車両を1編成導入、2022年度に2編成、2023年度に2編成導入し、2025年度までにさらに4編成を導入する(計9編成)。
烏丸線駅ホームへの車掌用モニターは、2019年度に5駅、2020年度に1駅、2021年度に2駅でそれぞれ設置する。
烏丸線の駅トイレは、設備の更新時期に合わせ、便器の洋式化、多機能トイレの充実やパウダーコーナーの設置等のリニューアル(2019年度に九条、くいな橋、2020年度に十条、北山)を行い、2020年度までに地下鉄全駅のトイレ出入口の段差を解消する。
烏丸線駅コンコース壁面のリニューアルは2019年度に1駅、2021年度に3駅、2022年度に2駅で実施する。
エレベーターのリニューアルは2019年度に烏丸1駅、2020年度に烏丸1駅、2021年度に烏丸2駅、エスカレーターのリニューアルは2019年度に烏丸2駅、2020年度に烏丸2駅、2021年度に烏丸2駅、2022年度に烏丸2駅、2023年度に烏丸1駅で予定。
駅照明のLED化は、2020年度に東西1駅、2021年度に東西2駅、2022年度に烏丸1駅、東西2駅、2023年度に烏丸1駅、東西2駅で予定。
地下鉄車両の車内照明のLED化は2019年度に東西4編成、2020年度に東西4編成で行う。
地下鉄の駅ナカビジネスは、最終年度の2028年度までに駅ナカ収入12億円を目指す。
駅ナカ店舗のリニューアルは2021年度に四条駅(4店舗)、2022年度に京都駅南エリア(4店舗)及び烏丸御池(3店舗)、2023年度に京都駅北・中央(8店舗)を予定する。
施設マネジメント計画に基づく施設等の長寿命化では、2019年度に施設情報のデータ化、建築物改修計画の策定(部位別計画を含む)を行い、2020年度以降、計画に基づく計画的保全の取組を推進する。
地下鉄の地下構造物の長寿命化に向け、2020年度・2021年度に特別全般調査(構造物の健全度判定のため、検査周期が20年を超えない期間ごとに実施する検査)を行う。2022年度に湧水対策計画を策定し、2023年度に湧水対策として止水工事を実施(湧水対策としての止水工事は2023年度以降も継続して実施)。
施設マネジメント計画の対象は、交通局所管の交通事業関連施設である「土木施設」(地下鉄の駅やトンネルなど)と「建築物」(地上にある市バスの車庫や地下鉄の指令所など)。長寿命化を含む保全費用は市バス事業2億7200万円、地下鉄事業11億1200万円の合計13億8400万円(うち、長寿命化対策費用3億0200万円)を見込む。計画期間は2019年度〜2028年度の10年間。