老朽化した笠岡市立市民病院の建て替えについて、小林嘉文市長が2020年度の事業着手を目指す考えを3月定例市議会で示した。19年度は市内部や有識者による検討委員会で建て替えに向けたたたき台をまとめる。20年度から基本構想や基本計画の作成に着手する見通し。
今後の市の人口推計を考慮すると、病床数の大幅な削減や診療科目の見直しが必要で、事業費抑制のため現在地での建て替えを最優先とする。小林市長は、19床程度の診療所とする案やこれと併せて40床程度のリハビリ病棟を併設する案、現在と同様の病棟構成で急性期病床(30床)、回復期病床(40床)、療養期病床(20床)に縮小する案を例として示した。
市は19年度中に内部関係部署による検討会や医師会・大学教授らで構成する有識者委員会で、市民病院の機能やそれに伴う施設内容・規模、民間活力の利用が可能かなどの整備手法を含め広く検討を進める。
市民病院は1963年に現在地(笠岡5628ノ1)に移転した。その後、81年と2001年、03年に増築されている。施設全体の規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ1万1569平方b。届け出病床数は154。敷地面積は1万2568平方b(駐車場130台)。63年に完成した既存棟は老朽化が進み、耐震補強もできないため、撤去または改築による対応が、また81年に完成した増築棟も耐震補強工事が必要とされていた。
「提供:建通新聞社」