県土木部が14日に更新した工事成績評定結果に関する統計で、考査項目を見直した1月以降の平均値が以前よりもアップしていることが分かった。2018年2月のスロープ状配点導入で上昇基調にあった平均値は、19年1月からの新規定運用によってさらに増加し、82.4点まで上伸。改定のキーワードに掲げた「現場のひと手間や工夫」に対する評価が数字に表れつつある格好だ。
県が段階的に進めてきた工事成績評定の見直しは、18年2月のスロープ状配点導入を経て、19年1月から最終弾となる考査項目の改定を実施。約1300項目のうち600項目程度を見直し、受注者が自主的に行う安全対策や品質向上の取り組みなどの評価に力を入れた。また、評定者の文言解釈で評価が分かれないよう、各項目の表現を明確化したことも大きなポイントといえる。
1月以降に完成検査を行った対象工事(当初契約額500万円以上かつ5件以上の実績がある工種)は190件。全体の平均値は82.4点となり、18年2〜12月(スロープ状配点に移行)と比較して0.7点増、それ以前(10年4月制定の旧要領)と比べると1.2点上昇した。
■工種別比較
電気設備伸び目立つ
工種別では、砂防・ダム83.4点(18年2〜12月比プラス0.4点)、道路改良と港湾外郭施設が各83.2点(同各1.1点)、急傾斜・法面工83点(同0.5点)、As舗装82.7点(同0・7点)−など。上昇幅では、電気設備82.1点(同1.4点)や防護柵工・道路81点(同1.4点)も目立った。
評定点のアップは、考査項目別の重み付き加減点(監督員・総括監督員・検査員がつけた加減点に持点比率を乗じた値)の変化とリンクする。例えば、出来形(満点5.6点)の場合、加点対象の拡大によって得点の集中域(従来は2.8点が5割超)が解消され、高い得点域まで含めたバランスある分布に移行。創意工夫に関する評価も全体的に上昇しつつある。
県が考査項目の改定方針として掲げた「受注者が現場でかけたひと手間や工夫への評価」は、少なからず平均値のアップに影響を与えているとみられる。今後、対象件数の増加と併せて数値がどう変化していくか注視していきたい。