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建通新聞社四国
2019/03/15

【高知】大方四万十・海部野根道路 新規事業採択へ

 社会資本整備審議会道路分科会の第3回四国地方小委員会(委員長・山中英生徳島大学大学院教授)=写真=が3月11日、高松サンポート合同庁舎で開かれ、一般国道56号(四国横断自動車道)大方四万十道路と、一般国道55号(阿南安芸自動車道)海部野根道路の2件について新規事業採択評価を行った。必要性の再検証、事業内容の詳細チェックに加え、いくつかの区間のネットワーク費用便益分析などを審査し、新規事業採択候補箇所として「妥当」と評価した。今後、国土交通省の事業評価部会を経て、2019年度予算で新規事業採択を受ける見通し。
 大方四万十道路は高知県黒潮町入野〜四万十市右山を結ぶ延長7・9`、幅員12b(一般部、橋梁部、トンネル部、中央分離帯を含む)2車線の自動車専用道路、第1種第3級、設計速度80`。全体事業費は約380億円(総費用283億円)。17年1月27日に都市計画手続きが完了している。
 四国小委では今回、地域の課題に対する整備効果として▽防災機能の強化・災害に強い、まちづくりを支援▽観光振興や地域産業支援に寄与▽安全・安心な医療アクセスの確保―に加えて、費用便益比で大方・四万十間で1・0、いよ小松JCT〜高知JCT間における、いくつかの道路ネットワークによる一体的な費用便益比分析で1・3となっていることなどを挙げた。委員の一部からは津波浸水区域でもあり、早期に事業完了、効果が発現されるよう、工期短縮の要望が強く指摘された。地域づくりとの連携で現国道との利用の仕方を指摘する意見も出された。
 海部野根道路は徳島県海陽町多良〜高知県東洋町野根間の延長14・3`。幅員は中央分離帯を含む12b、2車線、第1種第3級、設計速度80`の自動車専用道路。全体事業費は約730億円。18年11月16日に都市計画変更した。全体延長のうち、土工延長は全体の45%を占める6・4`、橋梁延長1・2`(8%)、トンネル延長が6・7`(47%)と約半分がトンネル構造。海部側から海部IC(仮称)、宍喰IC(仮称)、甲浦IC(仮称)、野根IC(仮称)がある。
 整備効果として▽南海トラフ地震などに備えた、信頼性の高いネットワークの確保▽速達性・走行性の向上により観光振興を支援▽同(産業振興を支援)▽救急医療機関への速達性の向上・安静搬送の実現―などの整備効果を挙げた。特に、津波浸水する国道55号に代わり、浸水しない高さを確保した阿南安芸自動車道海部野根道路により、代替路の確保や防災拠点施設との避難路との連携を支援する効果などが挙げられた。
 また、総費用は540億円で単独区間の個別費用便益比は0・1。新規事業採択では珍しいものの、徳島JCT〜高知JCT間の道路ネットワークによる、一体的な区間の費用便益比は1・1。

提供:建通新聞社