県河川委員会は(会長・前野詩朗岡山大学大学院教授)は11日、千代川水系八東川ブロックの河川整備計画変更案を了承した。新たに堤防機能強化策区間を盛り込んだ。これを受けて県は、新年度前半までに整備計画の変更手続きを終える。
堤防点検の結果、八東川では米岡橋上流〜万代寺橋下流にかけて堤防に水が浸み込んで、堤防の背後までパイプ状に水みちができる「パイピング」の兆候がみられた。
このため、浸透流対策として堤防断面を広げて浸透路長の延長を図る「断面拡大工法」を採用。堤防の一部を盛り土し、緩やかな傾斜を長くとることで滑り破壊に対し安全性を向上させる。対策区間の対象は右岸側1100b。概算整備費6300万円。
このほか変更案には、昨年7月豪雨の被害状況や、動植物の生態など最新の環境調査結果を書き込んだ。
09年11月策定の八東川河川整備計画には、堤防機能強化策が組み込まれておらず、事業実施にあたっては整備計画の変更が必要。今後、県は「計画変更の策定手続きを6月から7月にかけて終えたい」(河川課)と説明しており、早期の事業化を目指す。
日刊建設工業新聞