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建通新聞社(東京)
2019/03/12

【東京】都 人孔更生は認定工法のみ適用へ

 東京都下水道局は既設人孔(マンホール)の改良・再構築に更生工法を活用することにし、工法の認定申請の受け付けを開始した。これまでに「人孔更生工法の技術評価基準」を策定しており、事業者から申請された技術を書類審査した後、実際の現場で工事を試行。基準を満たしているか確認した上で正式に認定する。今後、同局が発注する改良・再構築工事のうち人孔更生については、正式認定した工法のみを適用していく考えだ。
 認定する人孔更生工法は「自立型」と「複合型」の大きく2種類。
 更生材自らの耐荷力により外力に対抗する自立型は、内径120a以上で深さ5b以下の既設の都型人孔(組立人孔が標準化される1991年度以前に都の標準として規定したマンホール)・組立人孔(都下水道設計標準に定めた円形・矩形の鉄筋コンクリート製マンホール)を対象とする。
 評価基準は▽耐荷性能▽耐久性能▽耐震性能▽水理性能▽環境適用性能▽維持管理性能▽施工性―。日本下水道新技術機構などの民間開発建設技術の評価制度の認定を受けていることも条件とする。
 評価基準のうち耐荷性能では「更生後の人孔は、使用する材質に応じた試験方法により規定値と同等以上の軸方向強さと側方曲げ強さを有する」、耐久性能では「試験により規格値以内の耐酸性と、使用する材質に応じた試験により更生材接合部が規定値同等以上の水密性を有する」ことを規定した。
 一方、既設部と構造的に一体となって耐力に対抗する複合型は、改良・再構築工事で深さ5b以下の既設の都型人孔・組立人孔を更生する場合が対象で、「シートライニング方式」と「塗布型ライニング方式」を想定。こちらも耐荷性能(軸方向耐圧強さ、側方曲げ強さ、充てん剤の圧縮強度)や耐久性能(耐薬品性、水密性、既設人孔との一体性、固着性、接着性)、耐震性能、水理性能などに一定の基準を設け、これらを全てクリアすることを条件とする。民間開発建設技術の評価制度の認定も要件。
 事業者からの申請を随時受け付け、書類審査を行って試行工事の実施を決定。試行工事の申請を改めて事業者から受け付けた後に施工し、3カ月後と6カ月後に追跡調査を行い、その結果を審査して「正式認定」する。申請の受け付けから認定までの期間として1〜2年程度を見込んでいる。

提供:建通新聞社