京都府は、新しい行財政改革プランの最終案を固めた。計画期間は31年度から5年間。
主な内容をみると、財源を重点配分する「知事重点事業枠」の設定や、部局が主体的に事業効果や優先順位を踏まえた事業の再構築を進める「新陳代謝促進プログラム」の導入など、新しい予算編成システムを導入する。
歳入の確保では、府有財産について、定期借地権方式のさらなる導入や暫定利用としての駐車場の貸付けなど効果的な利活用を進める。
地域活性化のためのイベントなどは多くの人々の共感を呼ぶような工夫を凝らし、クラウドファンディングの導入を積極的に進める。
物品の調達等は、市町村も含めて一括契約することで民間参入機会の拡大を推進し、経費の大幅な削減を目指す。また照明設備の更新等にESCO事業の活用による省エネルギーと低コスト化の実現を図る。
近年、災害による大きな被害が繰り返し発生していることや、文化庁の京都移転などを踏まえ、防災・減災対策や地域経済活性化のために必要な将来への投資を確保しつつ、交付税措置率の高い起債の活用を進めるとともに、実質的な府債残高の水準は引き続き適正に管理する。
公共施設は、29年3月策定の京都府公共施設等管理方針に基づき、資産の最適な維持管理を行い、メンテナンス経費の軽減・平準化を進める。
現場対応型の組織を目指す取組を更に進め、現場に近いところでより意思決定ができるよう、広域振興局長等への権限委譲を進める。
建設交通部の枠的単独公共事業の予算要求・執行権限の一部を広域振興局長へ委譲する。
災害復旧業務などの迅速な執行を図るため、契約等の支出負担行為権限について、土木事務所長などへの委譲を更に進める。
広域振興局は、16年度の再編後14年が経過する中、再編の効果を検証し、行政ニーズが複雑多様化する新しい時代に対応可能な組織への見直しを進める。
本庁組織は、20年度の大幅再編後10年が経過する中、新しい総合計画の推進にふさわしい形での再編を目指す。
また29年4月に港湾局を舞鶴市内に設置したが、本庁組織を現地化することで現場における企画部門と執行部分の一体化によって、より質の高い行政運営が期待できる部門は現地化を進める。
効果的・効率的な府政運営を進め、収支不足の改善を図ることにより、35年度に生じると見込まれる約300億円の収支不足構造の解消や、新総合計画を踏まえた京都の未来づくりのための約100億円の財源を生み出すことを目指す。