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建通新聞社(岡山)
2019/03/11

【岡山】真庭市 旧遷喬尋常小学校を保存し活用 耐震補強をはじめ施設の在り方を検討へ

 真庭市は、国の重要文化財である旧遷喬尋常小学校を保存しさらなる活用を図るため、耐震補強をはじめ施設の在り方を考える。耐震補強の方法を検討するため4月中にも業務を委託し、文化財にふさわしい補強方法を探る方針。市は現在、基本構想の策定を進めている。また、市民や有識者らからなる校舎整備・活用検討委員会(会長・江面嗣人岡山理科大学工学部建築学科教授)が整備方針などを議論している。5月中には4回目の委員会を開催する予定だ。
 旧遷喬尋常小学校は1907年築の木造2階建て延べ601平方b。明治後期に建築された擬洋風建築で、設計者は県立図書館や天満屋などを手掛けた江川三郎八氏。旧校舎は耐震基準を満たしておらず老朽化も進み、多くの箇所で不具合も発生している現状。まずは耐震方法を専門家と協議し、2019年度中に基本構想とともに取りまとめる方針でいる。
 同施設は、数多くの映画やドラマ、アニメなどにも登場しているが、知名度が低く、観光客の足が遠のいている。そのため、耐震補強と併せて近代教育遺産としての保存活用法を議論しており、昭和初期の椅子や机を復元することや、地元小学校と連携し子供ガイドの育成や各種イベントの開催なども計画している。19年度当初予算案には活用事業費など785万円を計上している。
 改修工事のスケジュールについては、文化財補助金交付の認定や文化財を取り扱える技術者の確保などのハードルがあり着工時期は未定となっているが、25年の大阪・関西万博開催までには着工し、貴重な文化財の工事そのものを観光化させるなど積極的に関西方面からの誘客を狙う。

「提供:建通新聞社」