県土整備部は4日、予定価格の算出に使う2019年度「公共工事設計労務単価」の改定内容をまとめた。15日以降に調達公告する建設工事から適用する。県内全46職種平均は前年度比1・4%増。上昇幅は全国平均3・3%を下回ったものの、8年連続して引き上げられる。単価が上昇に転じた12年度に比べると38・3%(全国平均48・0%)の伸びとなった。
国交省は1日から新単価を運用しており、同部も実態に合った適切な賃金水準をいち早く浸透させるよう新年度を待つことなく6年連続で前倒し適用する。
主な職種では近年、高い上昇値を示していた「とび工」「鉄筋工」など技能職種が0・5%と伸び率が低下した。他方で「特殊作業員」「普通作業員」「軽作業員」は4・0%〜4・2%、「運転手特殊」「運転手一般」も4・2%〜4・3%上昇。人手不足が深刻な「交通誘導員A」は5・5%、「交通誘導員B」は5・9%アップした。
このほか「造園工」1・7%、「ブロック工」1・6%、「電工」4・1%、「配管工」4・0%それぞれ上昇した。
労務単価の改定を受け、県建設業協会の山根敏樹会長は「単価の引き上げに感謝している。喫緊の課題である働き方改革や処遇改善につなげ、担い手確保の取り組みを加速させていきたい」とコメントした。
一方、設計業務の「技術者単価」も併せて15日以降の調達公告から新単価を適用する。全職種平均は前年度比3・7%増。7年続けて上昇し、12年度比25・0%の増加となった。
また、同部は旧単価を使用して積算した工事と業務に新単価を反映する「特例措置」の運用を検討。今月1日以降に契約した工事、業務を対象に契約変更を認める措置を講じる。
日刊建設工業新聞