日本工業経済新聞社(茨城)
2019/02/26
【茨城】ひたちなか市が統合小に債務負担行為58・9億円/19年度当初予算案示す
ひたちなか市(大谷明市長)が2019年度当初予算案を公表した。主な事業を見ると、平磯・磯崎・阿字ヶ浦の統合校建設に26億2759万4000円を計上。併せて限度額58億9800万円の債務負担行為も設定した。新規事業では田彦小学校の増築や基幹的防災備蓄倉庫整備を実施。道路関係では和田町常陸海浜公園線に2億4600万円、東中根高場線整備事業に3億9795万円を配分した。公共下水道会計では雨水幹線整備事業や水道事業会計の上坪浄水場更新事業に予算を盛った。
大谷市長就任後初となった当初予算編成は、一般会計、特別会計ともに過去最大規模。一般会計は572億5600万円で前年度当初に比べて7%の増。特別会計等451億6704万円と合わせた総額は1024億2304万円となり、初めて1000億円を超えた。普通建設事業費は69億5833万3000円で同43・1%の大幅増。
統合校建設事業は平磯・磯崎・阿字ヶ浦地区に小中一貫校を建設するもの。建築物の延べ床面積は1万4706・22u、敷地面積は5万8400u。21年度の開校に向けて、19年度から建設工事に着手する。建設事業費は66億8200万円を想定。建設工事とともに、統合校周辺の市道整備も進めていく。
田彦小学校増築事業は、児童数の増加により学級数が不足することから新たな校舎を増築するもの。規模は2階建て延べ940uで計画。設計・施工を一括で発注する考えで、20年度内の工事完了を目指す。事業費は19年度予算に1億2186万9000円を措置するとともに3億382万円を限度額とする債務負担行為も設定。
基幹的防災備蓄倉庫整備事業には2200万円を措置。これは解体工事を進めている勝田清掃センターの跡地に備蓄倉庫を建設するもの。大規模災害に対応して備蓄品の保管や支援物資の受け入れ、配送の拠点として整備する考え。19年度は規模や機能などを検討する基本設計および実施設計を行う。
和田町常陸海浜公園線は、津波災害時の高台への重要な避難路として位置付けられる都市計画道路。整備概要は延長580m、幅員17m。全体事業費は約10億円。19年度末の供用開始を目指して道路改良工事および踏切設置工事の委託などを行う。
東中根高場線整備事業は、同線の高場陸橋西交差点から常磐線を跨ぐ高場陸橋を越え、高場十字路までの延長約520m区間を対象に現行の2車線から4車線へ整備するもの。新橋設置に係る地盤改良工事、下部工、盛土・擁壁工などを行う。予定では20年度に既存橋の長寿命化対策を終え、22年度に4車線化に向けた新橋設置を完了させる。総事業費は約19億9000万円。
そのほかの道路関連事業では高野小松原線整備に1億363万円、東石川高野線整備に1億円を措置。
雨水幹線整備事業では冠水被害解消に向け事業を進める。高場流域では高場雨水1号幹線、高場雨水2号幹線、稲田バイパス、大川最上流部の調整池で詳細設計に着手。高場雨水15号幹線では基本設計に入る。
大島流域では大島第1幹線、大島第2幹線の詳細設計を進め、田彦小学校周辺では田彦小グラウンド貯留施設の設計・施工を行う。
さらに佐和駅東土地区画整理地内において佐和駅東雨水幹線(L281m)を整備する。
上坪浄水場更新事業は、老朽化が進行する既存施設を移転・改築するもの。18年度に水処理施設や設備の工事は公告済み。20年度末の完成を目指して工事を進めていく。総事業費は約120億円。