日本工業経済新聞社(茨城)
2019/02/20
【茨城】県19年度当初予算案は公共事業費7・1%増/フラワーパーク再整備へ
県(大井川和彦知事)は20日、2019年度当初予算案を明らかにした。公共事業費は前年度当初比7・1%増の1265億3700万円で、このうち国補分が8・3%増の1024億1600万円、県単分が2・6%増の241億2100万円となった。災害に強い県土づくりに向け、緊急輸送対策強化に223億500万円、治水直轄事業負担金に26億1500万円、防災・減災対策事業に11億6000万円を計上。道路や堤防の除草・修繕などの維持・管理対策事業には110億6300万円、道路や橋梁、下水道管渠の長寿命化対策事業には34億300万円。新規では県立高等学校改革プラン推進事業に6億3600万円、県フラワーパークリニューアル関連事業に1億9900万円を盛り込んだ。
一般会計の予算規模は1兆1357億1300万円で前年度比2・2%増。歳出規模は過去2番目の大きさとなった(過去最大は15年度)。東日本大震災関連分を除いた比較では335億8100万円増(3・2%増)となった。
投資的経費の総額は1510億円で、対前年度比50億円増(3・4%増)。国補公共の1024億円のうち、震災関連分を除く通常事業分は対前年度比12・4%増の742億円。
公共事業費の国補公共では、震災復興関連事業および社会資本整備を引き続き着実に進めるとともに、国の「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」を活用し、県民の安心安全の確保のための事業を一層加速する。
主な事業では、緊急輸送対策強化事業で復興関連道路に202億3900万円、橋梁の耐震化(1カ所)に1億8800万円を配分。国直轄事業で茨城港・鹿島港の防波堤整備なども進める。
治水直轄事業負担金は前年度同の26億1500万円を配し、鬼怒川の集中的な改修を行う。
県単公共は、防災・減災対策や通学路の安全対策、道路・堤防の除草、補修、長寿命化などを進めるほか、国の緊急対策と歩調を合わせて中小河川の緊急浸水対策などを拡充する。
このうち維持・管理対策事業には110億6300万円。道路除草2370km、堤防除草1655km、河川浚渫35カ所を予定している。
通学路等安全対策事業には24億8200万円を盛り込み、歩道整備等15カ所、路面標示等72カ所の整備を推進する。
長寿命化対策事業には34億300万円を設定。舗装修繕194カ所、橋梁補修24カ所、下水道管渠補修2カ所を実施する。
防災・減災対策事業には11億6000万円。落石防止等対策17カ所、急傾斜地崩壊防止対策12カ所を計画している。
新規の県立高等学校改革プラン推進事業は、県立中高一貫校10校を設置するために必要な教室の整備などを行うもの。太田第一、鉾田第一、鹿島、竜ヶ崎第一、下館第一は20年度開校、水戸第一、勝田、土浦第一は21年度開校、下妻第一、水海道第一は22年度開校を予定している。
開校の前年度に技術室や給食の実施に向けた運搬用エレベータ・パントリーの整備などを行う。
県フラワーパークは観光拠点としてのリニューアルを計画しており、ワークショップ施設の整備やレストランの新設、ローズガーデンの改修などを行う。全体事業費は約18億円を想定。19年度は基本設計・実施設計、施設整備の一部を実施する。
警察署等建設整備事業では、老朽化した太田警察署の移転建て替えに向けた基本設計などに着手する。19年度に基本設計および地質調査、20年度から実施設計、建設工事を進め、23年度の移転開署を目指す。
このほか、アクアワールド県大洗水族館の魅力を高めるためのリニューアルに7億円を投じる。夜間も楽しめる夜型展示の導入や飲食ゾーンの新設を行う。
新最終処分場設置調査事業には1200万円。新たな公共関与最終処分場の必要性や施設規模、事業主体などの基本方針をまとめるとともに、全県を対象とした整備可能地を調査する。
県民文化センターでは、コンベンションの機能強化に2億9900万円。大型プロジェクターやカメラシステムなどの映像設備を整備する。
また、企業誘致活動強化事業に前年度と同規模56億400万円を配分し、IoTなどの新たな成長分野の研究施設や本社機能の県内移転に対して支援を行う。
宿泊施設立地促進事業についても同規模10億200万円を設定。新たに県のフラッグシップとなり、観光イメージ向上に資するホテル等の誘致に取り組む。
当日の会見で大井川知事は「選択と集中により、新しい茨城づくりへの挑戦を加速させる」と述べ、19年度の主な事業について説明。
有料化を検討している偕楽園(本園)については、四阿の復元や休憩所の設置、拡張部へのアクセス向上などを進めていく考えを明らかにした。