高知市は22日、一般会計に1480億円を計上する2019年度当初予算案を発表した。新庁舎建設をはじめとする大型のハード整備が一定進行したことを受け、対前年度当初比3・8%の減となった。このうち投資的経費は157億9397万円で、同比37・0%の大幅減。
岡ア誠也市長は、19年度予算案について「次代へつなぐ共生と安心のまちづくり」をテーマに掲げ、「引き続き南海トラフ地震対策と地方創生の取り組み強化を2本柱とし編成した」と説明。一方で財政構造の硬直化が進んでいることにも触れ、財政健全化に向け投資的経費も抑制する。
こうした中、地域の要望が強かった道路改良や河川水路整備など生活密着型予算を前年度比4・2%増の7億8700万円、公共施設の修繕には同12・6%増の5億0470万円を確保。また公共施設のブロック塀安全対策には1億9300万円を充て、保育園や公園、市民会館などのブロック塀を改修する。
主な予算額を市総合計画で示した「六つの環(わ)」の項目別に見ると、「共生の環」では、朝倉総合市民会館耐震補強整備に3億2000万円、公共下水道の汚水整備事業(認証)に14億9600万円、総合地震対策事業(認証)に4億4840万円。また新規事業として東部環境センター長寿命化整備事業に22年度までの継続費を含め5億2000万円を充てる。「安心の環」では、木村会館と一宮老人福祉センターの耐震診断に440万円などを計上。
「育みの環」では、秦中央保育園改築に向けた敷地造成工事に3000万円、ブロック塀改修設計や体育館つりバスケットボール改修などの学校防災機能強化に1億4533万円、大津中学校体育館などの大規模改造事業に1億2100万円、横浜文化センター耐震補強に5000万円、潮江市民図書館耐震補強に4億8000万円、総合運動場陸上競技場のトラック改修工事に3億4200万円、かるぽーとの長寿命化整備に向けた構想検討に2500万円。また春野文化ホール長寿命化整備には20年度までの継続費5億円、大津東保育園や一ツ橋保育園の増改築など民間保育所施設整備補助に5億2889万円、みかづき第二幼稚園やもみのき幼稚園大規模修繕など認定こども園施設整備補助に4億1712万円を充てる。
「地産の環」では、仁ノ地区排水路整備、日出野排水機場自家発電設備更新、春野漁港施設強化にそれぞれ1億4000万円を計上、県と合同で整備する布師田産業団地開発事業には7億2704万円で、用地取得や構造物詳細設計、下水道実施設計などに充てる。
「まちの環」では、旭駅周辺市街地整備事業に16億8900万円で、うち下島町都市再生住宅建設には20年度までの継続費12億円を設定する。高知駅秦南町線などの街路整備に2億6611万円、春野町6号線などの道路新設改良に1億7450万円、橋梁の整備や長寿命化修繕に3億8750万円、生活道路改良に4億4700万円、丸ノ内緑地と通路橋の実施設計に2500万円、弥右衛門公園整備に3億円、雨水排水対策に8億9291万円などを計上している。
「自立の環」では公共施設個別施設計画策定など事業に1500万円、公共施設保全事業に1000万円を計上した。
提供:建通新聞社