徳島市は、市文化センター跡地に整備を計画している新ホールの整備基本計画(素案)をまとめ、市議会(事前委員会)に示した。概要説明の中で市は、建設工事費の79・8億円の他に備品購入費5億円を含む6・9億円の付帯事業費を示した他、設計・施工一括発注方式とする事業手法の事業者選定に当たっては、設計事業者と施工事業者の共同企業体(全て市の登録企業)を基本とした参加条件で、公募型プロポーザル方式により募集する考えを示した。今後は6月の基本計画策定を目指しパブリックコメントなどの手続きを進める。一方で、7月からの事業者募集に必要な募集要項や要求水準書の作成も並行して急ぐことにしている。
基本計画素案は、昨年11月に決定した整備方針を基に作成。大ホールを1500席程度とし、小ホールは設けず、リハーサル室、活動室、その他諸室を機能的に配置した施設を想定している。
規模は地下1階地上4階建て延べ約8800平方b。建設工事費79・8億円程度(本体工事費76・8億円、設計および工事監理費3億円)を見込む。委員会報告で示した付帯事業費6・9億円の内訳は、本体工事に含まない備品(照明・音響機材、ピアノ、緞帳(どんちょう)、山台、所作台、器具等)に5億円、敷地ボーリング調査に1200万円、その他としてアドバイザリー業務に2980万円、外構整備に1億円、付置義務駐車場整備(約50台分を鉄道高架用地に求める)に5000万円とした。
また、参考として文化センターの解体に要する2019年度以降の経費として、埋蔵文化財試掘調査に約340万円、下水配管等移設に約4200万円、高濃度ポリ塩化ビフェニール(PCB)含有廃棄物処分に約260万円、敷地境界確定に約350万円、地下構造物(杭・基礎)撤去に約3・5億円を示し、これらは全て新ホールを文化センター敷地で整備する・しないに関わらず、必要な経費として説明した。なお、地下構造物の撤去費以外は全て19年度当初予算案に事業費を盛り込んでいる。
一方、民間事業者の募集・選定方法の考え方では、参加条件で共同企業体の構成員にホールの設計経験と施工経験をそれぞれ求めることにしている他、市内事業者の参加(共同企業体または下請け)も配慮する考え。また、選定に当たっては、学識経験者、文化、ホール運営の専門家等7人以内で構成する「市新ホール整備事業者選定委員会」を設置し、提案内容の審査や優先交渉事業者の選定を図る考えを示している。
市が示した今後のスケジュール案では、2〜3月で民間事業者意向確認調査や3〜4月でパブリックコメントを実施。6月の市議会定例会での予算議案も含めた承認を経て同月下旬に基本計画を公表する。また、募集要項や要求水準書についても専門家や関係団体などの意見も踏まえながら7月に作成・公表。同月から11月にかけて事業者を公募・選定(仮契約)し、12月市議会での承認を経て本契約する。設計・施工を20年1月から3年半程度かけて行い(その間に管理運営計画の検討なども並行して進める)、23年度半ばには施設を完成。年度末までの開館に向けて開館準備を進めることにしている。
提供:建通新聞社