成田市は26日、小御門小学校跡地利活用に係る事業者の選考結果を公表した。公募型プロポーザルにより事業者を公募していたもので、優先交渉権者にクローバーホーム(成田市東町157―12)を選定した。提案では、校舎を活用し、人工光型植物工場を整備する。今後、市と同社で基本協定を締結。貸付条件などを協議し、市と不動産貸借契約を締結する。必要な手続きを行った後に、事業に着手する。土地は賃貸借契約(有償)とし、建物は使用貸借契約(無償)とする。
人工光型植物工場は、気温や湿度を管理した室内で、土壌を使用せず、水やLED照明などによりレタス類などの野菜を生産する。
提案では、校舎を、野菜を生産する植物工場として整備。教室内に水耕型の棚を設置し、教室の一部をカット野菜工場として整備。本工場での生産物及び地域で生産される根菜類等の加工を行うとともに、直売所を設置して販売も実施する計画。
また、プールは将来的に、植物工場から出る廃熱を利用した温水プールとして地域に開放することを計画している。
植物工場内には大きな段差がなく、良好な作業環境を確保できるため、高齢者や障害者の雇用も可能で、地域の就労支援にも貢献が期待できる。また、小学生の社会見学などに施設を活用することで、栽培や収穫体験を通じた子どもたちの食育に貢献することも期待できる。
一方、体育館、校庭は植物工場として利用せず、体育館はこれまで通り住民の投票所及び自主避難所としての機能を継続。校庭は、指定緊急避難場所の機能を継続するとともに、施設関係者及び来訪者の駐車場として活用する方針。
旧小御門小学校は、2014年4月に下総地区の4校を統合した小中一貫校の「下総みどり学園」の開校に伴い、同年3月末に閉校となった。
このため市では、市有財産を有効活用し、地域の活性化を図ることを目的に、同校の校舎や体育館などを一体的に利活用する事業者を公募型プロポーザルにより広く公募した。
学校の所在地は名古屋1199地先。敷地面積は1万5670・91u。区域区分は非線引き都市計画区域(白地域)。主な建物は、校舎がRC造2階建て延べ1263・92u(1977年建築)、校舎増築棟がRC造2階建て延べ480・60u(97年建築)、体育館がRC造2階建て延べ826・48u(85年建築)。ほかに、25m×15mのプール(97年建築)がある。