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建通新聞社(神奈川)
2019/02/22

【神奈川】iーcon連絡会 ICT活用 適用現場確保が課題

 神奈川県i―Construction推進連絡会が2月20日、国土交通省横浜国道事務所で開かれた=写真=。直轄4事務所や県、政令市、神奈川県建設業協会(神建協、小俣務会長)が参加し、i―Constructionの推進に関する課題などを共有。ICT活用工事については、県と3政令市が都市部での現場確保を課題として挙げた。BIM/CIM活用では、ソフトウエアの互換性や技術者育成といった環境整備に多くの機関が頭を悩ませているのが分かった。また、神建協はICT建機の経費負担軽減、技術者の確保などが普及拡大に必要とした。
 連絡会は、関東地方整備局所管の4事務所(横浜国道、川崎国道、京浜河川、相模川水系広域ダム管理)、神奈川県、政令市(横浜市、川崎市、相模原市)、神奈川県建設業協会が連携してi―Constructionを推進するため、昨年2月に設立された。今回は2度目の開催。
 会長を務める、横浜国道事務所の大江真弘所長は、「i―Constructionの取り組みは待ったなし」とした上で、「ソフトや人員など、取り組みに当たっての課題もある。受注者と発注者が情報を交換し、連携体制を強化することで取り組みを充実させたい」と述べた。
 その後、各機関が現状の取り組みを報告するとともに、それぞれの課題を説明。このうち、ICT活用工事に関する課題は、県と3政令市が共通した内容となった。都心部などでは大規模な土工現場が少なく、適切な現場を確保することが困難だというもの。
 受注者側からは、神建協が「ICT機械の経費など負担が大きいことや、技術に対応できる技術者がいないことから、ちゅうちょする企業が多い」と現状を報告した。
 BIM/CIM活用は、ソフトウエアが課題の一つとして挙げられた。「設計会社と工事受注者が使用するソフトウエアが異なっていた事例があった。ソフトウエアの統一、または互換性が備わることが望まれる」(横浜国道)、「3次元モデルを作成するための委託業務費の増加や、3次元データを利活用するためのソフトウエア導入などの環境整備が課題」(県)といった意見だ。「BIM/CIMについて理解が進んでいない」(横浜市)との声もあった。
 この点について神建協は、「会員企業が参加できるようなBIM/CIM活用工事は、まだ発注されていない」との認識を示した。その上で、「システムの内容を理解していない会員が多い状況と思われるので、情報や勉強の場を提供していただきたい」と要望した。

提供:建通新聞社