建通新聞社(中部)
2019/02/22
【三重】三重建協 女性技術者交流会を発足
三重県建設業協会(山野稔会長)は、建設業への女性の入職促進や就業継続を目的とした「女性技術者交流会」を発足し、2月15日に三重県建設産業会館で第1回会合を開いた。当日は、水谷優兆専務理事が、建設業就業者の高齢化の進行や、働き方の抜本的な改善に向けた最近の取り組みを紹介した上で、会員企業の女性技術者16人に、県の女性技術者9人を加えた25人が意見を交換。その後、協会役員を交え、どうしたら若手が定着するかなど、具体的な課題を取り上げ議論した。
この中で、「どのような場面で男女の差別を感じるか」「建設会社は女性にとって働きやすい職場か」に関しては、「女性が中心だった異業種の前職よりも、現在の建設会社の方が女性の就業体制について気を遣っていただき、働きやすい」という意見がある一方で、「男女差別はどの業界にもある。大切なのは、女性ならではの視点を持って現在の職場で自ら働きやすい仕事をしていくこと」という指摘があった。
「建設会社のストロングポイント(強み)は何か」については、「大きな金額の工事に携われることがうれしい」「工事が完成したときに達成感が味わえる。苦労した現場ほど、それを実感する」「介護などの分野でAI(人工知能)がクローズアップされているが、経験が重要な建設業はAIに仕事を取られない唯一の業界ではないか」といった建設業の魅力に関する意見があった。
「女性が建設現場や建設会社で働くために欠けているものは何か」に関しては、「これから子育てをする世代の女性が、現場で働くのは大変なこと。産休や育休の制度が勤務先にあったとしても、自分が休むことで周囲の誰かに負担を掛けてしまうのではという負い目を感じることになる」「以前勤めていた会社では、資格取得の際の支援が男性にしかなかった。古い体質の会社もまだ多いのではないか」という指摘があった。
「建設会社に就職した若者が定着するには何をすれば良いか」については、「自分の時間がないことを理由に退職していく人がいる。週休2日を義務化するなど休暇を確実に確保することが大事」「現在は資格を持っていないが、資格を取得して現場を任されると残業が増えるのが分かる。残業時間が多いのはマイナスであり、改善していく必要がある」と長時間労働の是正を求める意見が挙がった。
議論の後、山野会長は、「皆さんの意見を全国に発信していくのがわれわれの役目。改善を重ねながら交流会を継続していきたい」と述べた。