国土交通省関東地方整備局は、国道15号の上部空間を活用する品川駅西口駅前広場を3段階に分けて整備する考えを示した。これに伴い、ターミナルの施設配置や、にぎわい広場整備の進め方についてまとめた。関東地整は国道15号の拡幅事業に着手。その後、上部空間に次世代型交通ターミナルと、駅東西をつなぐセンターコアを部分的に供用。最終段階でターミナルとセンターコアを完成させ、にぎわい広場などを供用したい考えだ。
新たな駅前広場は、JR・京浜急行電鉄品川駅の西側を南北に通る国道15号の上部空間を活用し、デッキを渡して建設する。
整備する機能は北側から順に▽自動運転などの新たな交通サービスが結節する「次世代交通ターミナル」▽東西をつなぐ「センターコア」▽イベントスペースとなる「にぎわい広場」―。さらに、再開発を計画中の西口地区では「複合ターミナル」の整備も計画している。
段階的な整備に当たり、第1ステップでは、国道15号拡幅に向けた用地買収に着手。並行して京急線連続立体交差化や環状4号線の事業着手も見込む。
第2ステップでは、次世代交通ターミナルの部分供用を想定。ターミナルはPPP/PFI手法の活用を念頭に置いており、国道上空のデッキ躯体は公共が担うものの、ターミナル躯体の整備は官民連携、交通サービスや施設の管理運営は民間が担う形を検討。センターコア(デッキ)の一部完成も見込む。リニアの開業と同時期にこの段階にこぎつけたい考えだ。
第3ステップでは駅の東西自由通路をデッキを経由して西口地区までつなげ、駅前広場や複合ターミナルを全面供用させる。
次世代交通ターミナルの施設配置については、デッキ上の約3000平方bを活用して大空間を一体的に整備する案と、2棟の建物に分け、周辺まちづくりの進展に応じて段階的に整備する案の2パターンを作成。デザイン例としては、2階のデッキレベルに個人向け移動サービス、3階に多目的自動車の乗降スペース、4階にラウンジ・ギャラリーを配置するイメージを示した。
にぎわい広場については、民間の公募提案をベースとする「基本的考え方」を提示。民間活力によりにぎわいを生み出すとともに、訪日外国人への情報発信や、防災拠点の形成といった役割を担わせる。
道路上空の利活用方針の公表から半年程度で募集要項・仕様を提示。事業者選定を開始する。優先交渉民間事業者を選定後、事業スキームの明確化と都市計画手続きを並行して進め、事業を実施する。利活用方針の作成から着工までは3年程度を要する見通しだ。
提供:建通新聞社