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福島建設工業新聞社
2019/02/20

【福島】木戸ダム水力発電/最優秀に前田建設グループ

 県が昨年10月から公募手続きを進めてきた「木戸ダム管理用水力発電事業」の事業者選定は、最優秀提案者に前田建設工業を代表とするグループ(2社構成)が選定された。優先交渉権者となる同グループと水力発電設備の設計に係る詳細協議を行い、2019年度内の契約、事業着手を目指す。発電開始は35年度中が見込まれている。
 民間の資金やノウハウを活用し、木戸ダム(楢葉町)の既設導水管を利用した水力発電を事業化する計画。
 事業者が資金の調達、施設の調査設計・施工、電気事業者への系統連系等手続き、運転・維持管理までを包括して行うPFI的手法で事業を進める。最長20年の契約とし、契約期間終了後は県が施設の無償譲渡を受けるか、事業者が設備を撤去する。事業者は契約期間中の売電収入で初期投資を回収するほか、ランニングコストを賄い収益を得る。また、木戸ダムの年間管理費約5000万円の一部に充当し、施設の維持管理費低減につなげる。
 県営のダムでは、四時ダム(いわき市)の省エネルギー化を目的としたESCO事業が行われている。木戸ダムは高低差(落差)が93bと大きく売電収入が見込まれるため、水力発電事業として実施する。最大出力は四時の470`hに対し、木戸は1000〜2000`h程度が期待できるとしている。
 公募には2者が応募。事業者(優先交渉権者)の選定は@技術提案(発電量、売電予定額、工事中の対応、契約終了時の対応等)A資金計画B維持管理計画C地域貢献―等を庁内関係課長等で構成する審査委員会が評価し、同社グループを選定した。