高知県は15日、一般会計の総額に4607億0715万2000円を計上する2019年度当初予算案を発表した。対前年度当初比は2・2%増で、この10年間では2番目の規模。国の「防災・減災・国土強靱(きょうじん)化のための3カ年緊急対策」や豪雨災害の被害対応を反映し、投資的経費は同比9・6%増の1070億9500万円で、尾ア県政12年目で最大の規模となる。
投資的経費のうち普通建設事業には977億円を計上。南海トラフ地震などから命を守る対策や豪雨などの災害に備える対策に重点的に取り組む。道路事業では四国8の字ネットワーク整備の県事業に前年度の倍近い47億1500万円を計上し、北川村の国道493号やインターチェンジにアクセスする道路の整備を推進する。また橋梁の耐震補強に18億4200万円、法面防災対策に24億1500万円、産業や地域活性化の取り組みを支える道路整備に95億5200万円、1・5車線的道路整備に32億8000万円、橋梁・トンネルなどの点検・修繕に33億7500万円を充てる。
河川・港湾・海岸関係では、浦戸湾内の河川堤防と排水機場の耐震化に前年度の倍近い11億6600万円を計上した他、宇佐漁港海岸他の堤防耐震補強に21億2100万円、港湾海岸高潮対策事業費に8億9600万円、日下川・宇治川の床上浸水対策特別緊急事業費に12億7100万円、漁港の機能強化と地震・津波対策に9億4400万円などを盛り込んでいる。
この他、山地治山事業に16億2900万円、急傾斜地崩壊対策に15億1700万円、かんがい排水施設の整備に8億6500万円、ため池整備に13億4000万円などを計上している。
昨年7月の西日本豪雨などを受け重点的に進める豪雨災害対策には、国の3カ年緊急対策などを活用し348億円を投入する。このうち新規事業では、河床掘削、樹木伐採、堤防強化・嵩上げなどの3カ年緊急対策に45億1000万円を計上し、久万川など41河川で整備を進める。新たな治水対策の国補助事業として創設された大規模特定河川事業には1億8900万円で安芸川などの改修に充てる。国の事業に採択されない局所改修には、新たな地方債制度を活用し5億7502万円で和食川などの整備を進める。
尾ア知事は「11年連続の積極型予算を編成した。有利な財源を生かし、高知県にとって必要不可欠な防災・減災への取り組み、南海トラフ地震対策、豪雨災害対策を全速力で進めたい」と述べた。
2月定例議会は21日に開会、3月19日までの会期で開催される。
提供:建通新聞社