徳島市は、解体中の市文化センター敷地に計画している新ホールについて、年度末までに基本計画素案をまとめる。8日の有識者会議「整備検討会議」に骨子案などを示し、委員から意見を求めた。市は今後、原案として整理し3月市議会定例会に報告。6月の基本計画策定を目指しパブリックコメントなどの手続きを進める。一方で、7月からの事業者募集に必要な募集要項や要求水準書の作成も並行して急ぐことにしている。
基本計画は、昨年11月に決定した整備方針を基に作成している。大ホールを1500席程度とし、小ホールは設けず、リハーサル室、活動室、その他諸室を機能的に配置した施設を想定。地下1階地上4階建て延べ約8800平方bの規模(建設工事費79・8億円程度)を見込む。なお、当日の整備検討会議では、基本計画の骨子案の他、要求水準書の骨子案(施設整備における留意事項等)についても示され、その中で「設計・施工一括方式(DB方式)を検討する」としていた整備手法について「設計・施工一括発注方式で整備する」と初めて明記している。
委員からは、整備方針で作成した施設配置イメージで、地上階の事務室と会議室の配置に「会議室を楽屋としても使えるよう舞台寄りに配置すべき」といった意見があった他、施設の振動や音響対策に関する意見、内装を県産材にする意見なども寄せられた。また、事業者選定に当たっては同規模以上の音楽芸術ホールについて、できるだけ直近の設計・施工実績を有する条件を必ず盛り込むよう、求める意見もあった。
市が示した今後のスケジュールは、3月市議会定例会への基本計画素案報告後、パブリックコメントの手続きに着手し、6月の市議会定例会での承認を経て同計画を策定・公表する。また、募集要項や要求水準書についても3月から検討に入り、専門家や関係団体などの意見を踏まえながら6月をめどに作成・公表。7月から12月にかけてDB事業者を公募・選定し、契約する。設計・施工を20年1月から3年半程度かけて行い(その間に管理運営計画の検討なども並行して進める)、23年度半ばには施設を完成。年度末までの開館に向けて開館準備を進めることにしている。
提供:建通新聞社