石川県は、19年度当初予算案に金沢城二の丸御殿の復元に向けた調査検討費4100万円を計上した。「金沢城二の丸御殿調査検討委員会」(委員長・藤井讓治県立歴史博物館長)がこのほど谷本正憲知事に報告した「中間とりまとめ」で課題として指摘した、御殿内の障壁画や襖絵について、同じ絵師が手掛けた作品の類例調査や建物の遺構調査を進め、委員会において復元への具体的議論を深めてもらう。
二の丸御殿の復元を巡り調査検討委員会は、御殿内の「表向」と呼ばれる藩主が藩政を司る儀礼の場について「江戸後期を通じて改変が少なく、外観立面図が残るなど復元整備の可能性は大きい」とする一方、内部における障壁画、襖絵ついては「いくつか課題があり、今後、委員会で明確にしていく」と中間とりまとめで報告していた。
これを受け県では19年度、復元を前提とした調査へ移行する。二の丸御殿の障壁画などに携わった絵師の作品を研究したり、遺構内の60個所をサンプリングして全容解明につなげる。委員会の最終報告は、19年度半ばごろが見込まれる。