社会資本整備審議会道路分科会の四国地方小委員会が7日、高松市で開かれ、計画段階評価にある四国横断自動車道の宿毛〜内海と阿南安芸自動車道の奈半利〜安芸のルート帯案について審議し、それぞれ「市街地との連絡性を優先するバイパス案」とすることを了承した。
宿毛〜内海間は、宿毛市和田から愛媛県愛南町柏までの延長約29`。起終点以外に宿毛市樺地区の他、愛南町内の3カ所にインターチェンジ(IC)を設ける。事業費は1250億〜1300億円を見込む。奈半利〜安芸間は奈半利町芝崎から安芸市伊尾木までの延長約13`。起終点以外に田野町と安田町にICを整備し、田野町は高知市方面のハーフインターとする。事業費は600億〜650億円を見込む。
両路線とも時速80`の自動車専用道路(2車線)で、コスト縮減の観点から可能な範囲で切土や盛土といった土工を採用。四国8の字ネットワークの一部として、南海トラフ地震による津波発生時に現国道の代わりとして地域の分断・孤立を解消、避難場所としても活用できるとともに、地域の救急医療や産業・観光振興を支援する。
ルート帯を巡っては、これまで区間延長を極力短くしたバイパスと現道改良を含めた3案で検討されてきたが、地域住民や団体へのアンケートや意見交換を通じ、地域の防災拠点施設や大きな病院、観光地までスムーズに移動できる道路が望ましいとの意見が多く、市街地や集落との連絡性を優先するバイパス案を採用した。
提供:建通新聞社