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北海道建設新聞社
2019/02/15

【北海道】過去最大の215億円 札幌市19年度除雪費

 札幌市が2019年度予算案に計上した除雪費は、前年度当初を6.7%上回る215億円に上る。労務費などの増加見込み額を計上したため、当初配分では過去最大額となった。費用増加や担い手確保が課題となる中、作業の効率化は急務。作業日報の電子化、AI(人工知能)を使った雪堆積場の選定システム構築など、ICTを活用した効率化の取り組みを本格化させる。
 除雪費の増加は7年連続。内訳は道路除雪費が6.8%増の170億1400万円、雪対策費が44億9900万円で6.5%上回る。
 伸び率は人件費などの経費の上昇見込み額8億7000万円を計上したことが主な要因。内訳は労務単価5.8%、機械損料4.7%、消費税2%アップを想定する。
 除排雪延長は大きな変更はなく、労務費の上昇などが全体費用を押し上げた格好だ。一方で過酷な作業の担い手は確保が難しく、費用は雪の量に関係なく増加基調が続く見通し。
 このため、昨年12月に策定した雪対策基本計画「冬のみちづくりプラン2018」に沿って、体制維持の支援とともに、効率化や排雪抑制に取り組む。
 作業日報の電子化は一部地区で導入を目指す考え。GNSS(衛星測位システム)端末を除雪車両に搭載し、記録した軌跡を日報として認めることで、タコメーター整理が中心だった書類整理に関わる時間短縮を図る。
 雪堆積場の選定を支援するシステム構築にも着手する。除雪センターが排雪日時を入力するとAIが最適な雪堆積場を指示するシステムで、20年度の試験運用を予定。
 市土木センターや各センターが電話やメールで調整している負担を軽減し、最適化による混雑解消につなげる。
 1人乗り除雪車両の拡大も図る。官貸の1人乗りグレーダー16台を新規購入し、2人乗りグレーダーなど9台をテレビカメラやセンサーを使い1人乗りに改造する。
 排雪の効率化は新川融雪槽の容量拡大改修に向け実施設計に着手。パートナーシップ排雪は今冬から導入した実証断面の検証を進め、地域が排雪量や費用負担の少ない作業を選択できる仕組みづくりを目指す。