愛媛県内の主要水道施設の耐震化率は2018年3月末現在、基幹管路で29・2%、浄水場で53・9%、配水池で59・7%。全国平均に比べると導水管や送水管など基幹管路が10・1ポイント低い半面、浄水場が24・8ポイント高く、配水池は4・5ポイント高いことが厚生労働省がまとめた調査結果で明らかとなった(表参照)。
厚労省は、08年度から全国の水道管や浄水施設など水道施設の耐震化状況を調査しており、17年度末時点の調査結果がまとまった。17年度末の基幹管路の全国平均は39・3%、浄水場が29・1%、配水池55・2%となっている。愛媛県の全国順位は基幹管路が36位、浄水場が5位、配水池が13位となっている。
県内の前年度からの進捗は、基幹管路について内子町で老朽管更新の完了に伴う増加に加え、伊予市と愛南町で簡易水道統合に伴う耐震性のある管路を追加したことにより3・6ポイント増加。
浄水場については、南予水道企業団と津島水道企業団で耐震工事の完了に伴い2・9ポイント増加。配水地については、上島町で耐震診断の結果、耐震性のある施設を把握したことによる増加に加え、伊予市と愛南町において、簡易水道統合に伴う耐震性のある施設の追加により1・8ポイント増加した。
県内の耐震化率は着実に増加し、浄水場や配水地は全国上位となっているが、基幹管路の耐震化率は依然低い状況。要因は、山間部などに小規模な集落が点在し施設の集約化が困難なことや、市町の財政状況などの理由から耐震化率は低い。県は、水道事業者などに対し、耐震化に係る交付金の活用や耐震化計画策定の促進など限られた財政の下でも水道施設の耐震化における効率的かつ効果的な整備を進めるよう適切に助言していく方針。
県内の基幹管路の総延長は1760・5`。うち耐震適合性のある管の延長は514・1`(耐震管延長は370・1`)。浄水施設の全施設能力は67万2141立方b/日。うち耐震化能力は36万2115立方b/日が耐震化。配水地の全施設容量は41万0237立方b。うち24万4979立方bが耐震化されている。
提供:建通新聞社