高知県公営企業局は、2019年度から10年間で進める電気事業と工業用水道事業の経営戦略案を示した。ハード面では10年間で電気事業の建設改良費に42億8300万円、工業用水道事業の建設改良費に16億6300万円を投入し、施設の老朽化や地震対策に向けた取り組みを進める考え。
電気事業では、施設の老朽化対策として、発電所集中監視制御システムや屋外変電設備の更新などを施設整備の状態や経営状況を踏まえ計画的に進める。また18年度に実施した発電電力量増加可能性調査を踏まえ、事業性が見込める場合は、発電所のリニューアルに着手する。
19年度から10年間で見込む建設改良費は42億8300万円。主な改良工事として永瀬発電所では23年度に取水口表面水門扉他の取り換え、25年度に屋外変電設備更新、27年度に2号水車発電機他機器改良、28年度に1号水車発電機他機器改良。吉野発電所では23年度に屋外変電設備更新。杉田発電所では22年度に放水口門扉・戸当たり改良、23年度に水車発電機他機器改良、26年度に屋外変電設備更新。総合制御所では20年度に発電所集中監視制御システム更新を予定。また水車発電機オーバーホールなどの修繕費は10年間で16億1900万円を見込む。
工業用水道事業では、工業用水の需要低迷への対応として、鏡川工業用水道では管路延伸による新規需要拡大の可能性を検討し、管路更新の際には将来の需要を見据えダウンサイジングを検討する。香南工業用水道では、香南市の工業用水道事業との統合による施設整備を進める。
鏡川工業用水道は給水開始から50年以上経過し、ほとんどの管路が耐用年数(40年)を超えている。そのため、老朽化対策と合わせ耐震対策も進める。19年度から10年間の建設改良費は16億6300万円を見込む。このうち配水管路の一部更新には21年度以降9億4300万円を投入する考え。
今後、同局では1月末まで実施したパブリックコメントへの対応や、2月議会への報告を経て、3月末までに正式な経営戦略をまとめる。また取り組みについては1年ごとにPDCAサイクルを回しながら、順次見直しを進める。
提供:建通新聞社