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建通新聞社(東京)
2019/02/08

【東京】都の平準化 工事、委託とも業種ごとに21年度目標値設定へ

 東京都は公共事業の平準化に向けた取り組みとして、工事では国土交通省が指標としている「平準化率」を新たに導入し、業種(工種)ごとに3年後(2021年度)の目標値を設定するとともに、国交省関東地方整備局が進めている「発注見通しの統合・公表」に全庁で参画する。設計等委託業務については、工事と同様に債務負担の設定を積極的に行うなどして「2〜3月の履行期限(納期)」の割合を減少させることとし、こちらも業種ごとに21年度の目標値を設定する。関係各局による庁内連絡会で詳細を詰めた上で目標値を定める。
 都では「技術者や資機材の効率的な活用の推進」「繁忙期の解消、超過勤務などの減少による技術者の労働環境の改善」を目的に、発注時期や施行時期、納期などのさらなる平準化が必要との観点から、工事と設計等委託業務についてそれぞれ今後の取り組みの方向を検討している。
 工事については、債務負担工事や繰り越し工事といった過年度契約案件も含め、現場の稼働状況を適切に評価することが必要だと判断し、国交省が平準化の状況を判断する際の指標として採用している「平準化率」(連続する3カ月間で最も低い平均値となる4〜6月の平均稼働件数を、年度の平均稼働件数で割ったもの)を新たに導入。その上で、建築、土木、設備の工種ごとに21年度の目標値を設定することにした。都の17年度の全業種の平準化率は0・79で、国が目標とする「0・9」を一つの目安にする。
 また、国関係機関や区市町村など都以外の工事にも参画する事業者が、限られた技術者を適切な時期に効率的に配置することを検討できるよう、関東地整が推進している「発注見通しの統合・公表」に参画することとする。現在は建設局だけが試行的に参画しているが、これを全庁に拡大する。合わせて発注者協議会などを通じ、区市町村に対しても参画を要請する。
 一方、設計等委託業務については、納期の平準化が重要で効果的だとの判断から、債務負担の設定を積極的に活用することなどで、2月または3月を納期とする案件の割合を減少させる。建設局が「3月納期の原則禁止」を先行的に実施しているが、これを全庁に広げ、設計、測量、地質調査の業種ごとに21年度の目標値を設定する。

提供:建通新聞社