秋田県の平成31年度当初予算案は一般会計総額5,741億円で、前年度比61億7,100万円、率にして1.1%の減となった。新規事業は67件で23件の増。建築物件では新複合化相談施設の新築や大曲高校の建て替え、運転免許センターの建て替えなどが新規事業に盛り込まれた。土木では秋田港から秋田北ICのアクセス向上で道路詳細設計などを行う。
人口減対策と「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」の施策推進に重点を置いた今回の当初予算。地方交付税等を含めた一般財源が前年度を下回る厳しい財政状況下だが、歳入・歳出の徹底した見直しでプライマリーバランスの黒字と基金残高の確保を図り、財政規律の維持に努めた。
特に人口減対策では、新規事業に「チャレンジあきたドリーム事業」を盛り込み、県内の若者が持つ夢の実現や、首都圏から本県への移住、起業などを支援。このほか、インバウンド誘客に向けた集中的なプロモーションや外国人材の受け入れ体制整備、産業分野におけるICT・AIなどの導入も強力に推し進める。
一般会計総額は5,740億8,900万円で、30年度当初予算と比較して61億7,100万円、1.1%の減。緊急経済対策や震災対策として実施した制度融資の減少などにより全体の予算規模自体は縮小したが、公共事業費は農村地域防災減災事業で13億円、現年発生土木災害復旧事業で10億円、河川災害復旧助成事業で8億円などが増加して937億9,400万円となり、30年度当初に比べ31億9,300万円、率にして3.5%の増となった。
その他投資的経費(221億6,400万円)も、県・市連携文化施設整備事業で45億円、比内支援学校の整備事業で11億円などが増加し、30年度当初比で30億400万円・15.7%の増となっている。
新年度の新規事業は67件(31億1,000万円)で、30年度(44件・26億円)に比べ件数で23件・金額で5億1,000万円の増。インバウンドや秋田の食といった観光文化スポーツ部関連の事業や、健康福祉分野の事業が主に増えたという。
新規事業では新スタジアムの整備に向けた秋田市との協働による調査・研究事業、秋田新幹線トンネル整備構想の実現に向けた要望活動などに関する費用、中央児童相談所や女性相談所、福祉相談センターおよび精神保健福祉センターを複合化させる福祉相談施設の設計費などを盛り込んだほか、大曲高等学校の建て替えに向けた基本設計、地質調査等費、運転免許センターと交通機動隊庁舎の統合・改築事業で行う基本設計、アスベスト分析等に要する費用などを盛り込んでいる。
新年度予算案が審議される平成31年第1回定例会2月議会は5日に開会し、3月7日までの会期で行われる。
提供:秋田建設工業新聞社