福島建設工業新聞社
2019/02/05
【福島】県土木部19年度予算は2800億/復興関連道路「重点化」
県土木部の2019年度当初予算案規模は2802億472万9000円で、今年度当初比26%伸ばした。当初予算の前年超は4年ぶり。残り2年となった復興・創生期間内の工事完了に向け、復興を着実に進めるために必要な復興関連道路整備や、西日本を中心に襲った昨年7月豪雨を踏まえ、治水事業など防災・減災対策関係予算を厚くした。維持補修費も今年度を27・6%上回る240億8030万6000円を確保した。
19年度の同部の公共事業費は2327億4973万円。今年度比では28・5%増だが、17年度比では5・3%少ない。このうち復興・創生事業分は1554億6259万3000円で34%増。通常事業分は維持補修費を含め18・8%増の772億8713万7000円。
復興を支える基盤整備として、ふくしま復興再生道路に今年度当初比62・2%増の364億600万円、広域ネットワークの強化や災害に強い道路ネットワークの構築を図る地域連携道路等整備に46%増の499億1400万円を充てた。会津縦貫道路整備は4・9%減の38億9300万円。避難地域等復興加速化プロジェクトの、復興拠点へのアクセス道路整備事業には24億8100万円(18年度30億4500万円)を措置した。
復興関連事業では、公共土木施設の復旧費が44・3%増の99億9800万円。漁港で復旧完了を目指す。このほか津波被災地等の復興まちづくりとして、相馬亘理線・原釜尾浜工区など、海岸堤防や防災緑地と一体で整備する道路に56・7%増の94億9400万円。新地町・地蔵川、富岡町・富岡川など津波被害を軽減する河川堤防等の整備に76・8%増の55億2300万円の予算を組んだ。復興祈念公園には6億2500万円を付け、実施設計と一部工事を行う。
頻発する大規模自然災害を踏まえた強靭化対策では、大規模氾濫に対する減災のための治水対策に、今年度の47億8100万円を大幅に上回る67億1700万円を計上。30年7月豪雨を踏まえた緊急的な取り組みとして、新規に33億1100万円を予算化し、河川改修や河川合流部等の河道掘削、洪水の越流に強い構造の河川堤防整備等を推進する。
2020年東京五輪の野球、ソフトボール会場となるあづま球場改修事業には8億4100万円を付け、グラウンドの人工芝化や設備の改修を施す。
国道4号の一部区間の移管や防災緑地の整備など県管理施設の増加もあり、維持管理費も大幅に伸ばした。道路の維持管理費が197億6800万円(18年度162億3700万円)、河川・海岸が35億6200万円(同21億9000万円)。
組織改編では、いわき建設事務所復旧・復興部内に「小名浜道路課」を新設する。