川崎市が2月4日発表した2019年度予算案によると、一般会計は5年連続で過去最大規模となったものの、投資的経費は前年度比6・1%減の918億8600万円。学校トイレ改修工事費の増により教育環境整備事業費が増加したが、新川崎・創造のもり産学交流・研究開発施設(AIRBIC)や小杉小学校の整備完了、京浜急行大師線連続立体交差事業の減などにより前年度に比べ60億円の減となった。主な建設関係事業を見ると、本庁舎建て替えには3億3155万7000円を計上。超高層棟の建設工事に着手し、22年度の完成を目指す。また、上下水道機能の安定のためには185億4122万1000円を充て、上下水道施設などの耐震を推進し19年度までに川崎駅以南地域の重要な下水管渠の耐震化を完了させるとともに、既設給水栓を利用した開設不要型応急給水拠点の整備を進める。まちづくり関係では、新百合ケ丘駅周辺まちづくり方針の策定に向けた検討、鷺沼駅前地区・柿生駅前南地区の再開発事業の推進を盛り込んだ。
19年度予算案の全体規模は▽一般会計=7590億6628万円(前年度比3%増)▽特別会計(13会計)=5001億7723万円(同1・3%増)▽企業会計(5会計)=2015億9400万円(同6・3%減)―の総額1兆4608億3751万円(同1・1%増)となっている。
このうち一般会計の投資的経費の内訳は、▽補助=391億8200万円(前年度比1・2%増)▽単独=527億0400万円(同11%減)。
まち全体の耐震化などには6億7674万5000円を計上し、通行障害建築物をはじめ特定建築物などの耐震診断や耐震改修工事への助成を行う他、条例に基づく老朽建築物の除却や耐火性能強化などへの助成、小田周辺地区での建て替えなどの促進に向けた新たな促進策を実施する。
気候変動への対応としては34億2881万3000円を投じ、五反田川放水路など大雨による水害を防止する施設の整備を行う。
学校施設の環境整備には178億6743万4000円を計上。学校施設長期保全計画に基づき、校舎24校、体育館11校の改修を実施するとともに、学校トイレの改修を30校で行い、22年度までに全市立学校のトイレの快適化を実現させる。
「地域包括ケアシステム推進ビジョン」に基づく取り組みを推進するためには50億3554万5000円を確保。19年度に特別養護老人ホーム1カ所の整備に着手し、20年度に完成させる他、障害者通所事業所1カ所を19年度に完成させる。市立看護短期大学は4年制大学化に向けた取り組みを進め、22年度の開学を目指す。
一方、下水道事業会計は前年度比10%減の932億5259万3000円、水道事業会計は同6・8%減の475億1113万8000円、工業用水道事業会計は同4・3%減の90億0999万5000円となっている。
提供:建通新聞社