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北陸工業新聞社
2019/02/05

【富山】とやま新機軸/港湾インフラで地域に活力/北陸地方整備局伏木富山港湾事務所長/宮丸克巳氏/「ふるさと発展に貢献したい」 

 伏木富山港は伏木地区(伏木港)、富山地区(富山港)、新湊地区(富山新港)の3地区で形成され、2011(平成23)年には国際拠点港湾に指定。各地区では、利便性の向上や老朽化対策などを目的に整備が進められている。1月1日付で北陸地方整備局伏木富山港湾事務所長に就任した宮丸克巳氏に、伏木富山港の特徴や整備の進捗状況などを聞いた。
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 伏木富山港は日本海側の中央に位置し、その恵まれた立地条件から対岸諸国との中継拠点の役割を果たしている。背後にある3大都市圏とも同距離にあるため「そのポテンシャルはかなり高い。富山県はもちろん、周辺地域にとっての物流拠点となっており、果たす役割は極めて大きい」と見ている。富山県内の産業は、豊富で良質な水や安価な電力供給などから、アルミ製品をはじめ、金属加工、製紙業、化学工業など多くの製造業が港湾の開発とともに発展。「企業活動を通じて、地域の下支えになっていくことが、港湾整備に求められている」と自任する。
 伏木地区では岸壁の老朽化対策、富山地区でも老朽化岸壁を改良し、長寿命化や耐震性向上を目的に早期完成を目指している。新湊地区の国際物流ターミナル整備では岸壁を延伸し、貨物の取り扱い能力を向上させ荷役効率化と輸送コストの縮減を図る。今春の完成を目指し鋭意整備中だ。新湊地区の岸壁築造工事には、港湾技術パイロット事業に認定されたリプレイサブル桟橋を一部採用した。「取り外し可能な床版の導入により点検費用を削減できる。工期の短縮や安全性の向上といった利点もある。この工法が、今後ほかの港湾施設でも活用されるべく、整備を進めていきたい」と意気込む。
 「港湾の波及効果というのは非常に裾野が広い。3地区それぞれに物流や産業、文化などに深くかかわっている」という。万葉(奈良時代)の頃から沿岸貿易の要港として栄えてきた小矢部川の河口港で、昭和にかけて大改修が行われた伏木地区。江戸時代から河口港として北前船に利用され、周辺に当時の繁栄を偲ばせる歴史的景観が残る富山地区。放生津潟を開削する形で整備され、工業港湾として発展した新湊地区。それぞれに特徴があり、集積する企業も違えば、港湾施設を活かしたにぎわい策も様々。「船舶の大型化やIT化といった時代の変化に対応するため、各地区の港湾機能はこの先どうあるべきか、港湾管理者の富山県をはじめ、地元自治体、港湾利用者、漁業関係者、地元住民らの意見に耳を傾け、応えていきたい」との姿勢だ。
 新事務所長として「港湾のインフラ整備を通じて、地域の活力や暮らしを下支えをすることが、わたしの使命」と抱負。入省以来、初めて故郷である富山県内での勤務となり「責任を重々感じているが、ふるさと富山の発展にしっかりと貢献していきたい」と力を込める。
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 みやまる・かつみ 1962年生まれ、56歳。富山県出身。旧二上工業高校卒業後、80年に旧運輸省入省。北陸地方整備局港湾空港部港湾計画課長補佐、聖籠町東港振興室長、北陸地方整備局港湾空港部港湾事業企画課長などを経て、1月1日付で伏木富山港湾事務所長に就任。趣味はロードバイク。

hokuriku