白山市は、適地調査を進めてきた新たな工業団地について、旭工業団地を拡張することにした。総事業費は約47億円を想定。土地区画整理事業の施行に関する認可を経て、21年度の造成工事着手を目指す。31日の市議会全員協議会で市側が概要を説明した。
整備予定地は同団地の北側に位置し、同市八田中町、宮永新町、八田町地内にまたがるエリアとなる。対象面積は約18ヘクタール。北陸自動車道白山インターチェンジ(IC)や金沢外環状道路海側幹線、国道8号に近く、良好な交通アクセス面などを考慮し、同エリアを新工業団地の候補地として選定した。
今年度に測量や基本設計を進め、19年度は用地交渉や埋蔵文化財試掘調査、実施設計などに移行していく。21年度の造成着手、分譲開始を目指す。現在、見直し作業を行っている都市計画マスタープランとも整合を取りながら、事業を進めていく。
市内には工業団地が17カ所あるが、良質な水や強固な地盤、優れた交通アクセスなどが奏功し、ほぼ完売となっている。
企業立地が順調に進む中、さらなる進出や工場拡張などの需要に対応するため、市は新たな受け皿となる工業団地の整備に向け、昨年度に既存の工業団地の周辺で基本的な適地調査(国土開発センターが担当)を実施。今年度は、9月補正予算に基礎調査等の費用3650万円を計上。地元町内会など関係者との調整を行ってきた。
最近の動向では、矢頃島町地内の山島工業団地で第2期造成工事を進めており、この用地については、トランテックス(白山市徳丸町)の工場建設が決まっている。
市内で唯一残っている山島工業団地2街区の1区画(約1万平方メートル)についても「企業と交渉中で、近いうちに決まると思う」(山田憲昭市長)との明るい見通しがたっている。