県病院局は「(仮称)県総合救急災害医療センター施設整備事業」で新年度、実施設計を行うとともに、新病院開院に伴う医療機器等の調達や医療情報システム構築の検討、建設予定地に係る各種調査などを実施する。事業費は県の新年度当初予算案に、年度事業費4953万4000円を計上したほか、限度額3億3500万円の債務負担行為を設定した。基本設計は梓設計(東京都品川区東品川2―1―11)が担当。
同事業は、老朽化する県救急医療センター(千葉市美浜区磯辺3―32―1)と県精神科医療センター(千葉市美浜区豊砂5)を一体的に整備し、併せて県精神保健福祉センターを合築する計画。
県救急医療センターは、県唯一の高度救命救急医療センターとして、24時間365日体制で専門医が救命救急を行っており、県精神科医療センターは同様の体制で精神科救急患者を受け入れている。しかし両病院は、老朽化等への対応が喫緊の課題であることに加え、身体と精神疾患を合併した救急患者の受け入れ体制の向上や、災害時の心身両面の包括的な医療支援の必要性が高まっていることから、両院を統合して「(仮称)県総合救急災害医療センター」として一体的に整備することとした。
センターの建設場所は現精神科医療センターの隣接地で、千葉市美浜区豊砂6―1ほか地先。敷地面積は約4万2000u。敷地の用途地域は準工業地域(建ぺい率60%、容積率200%)。建物規模は、病院部分が延べ約1万9900uで、病床数は一般病床100床、精神科病床50床の計150床。これに精神保健福祉センターの合築が加わると、延べ2万1000u程度となる見通し。身体・精神合併症に対応する病床を整備し、手術室を増やすほか、最新の医療機器に対応するとともに災害に強い施設とする。
本年度は敷地の土質調査業務と測量調査業務を委託し、本年3月25日までの工期で実施している。土質調査は京葉シビルエンジニアリングが担当し、委託金額2250万円(消費税抜き)、測量調査業務は京葉測量が担当し、委託金額545万円(同)。
同事業では16年度に基本計画を策定し、17年度には基本設計を公募型プロポーザルで委託していたが、県循環器病センターを統合する案が浮上し、基本設計を一時中断していた。その後、県循環器病センターのあり方を検討。その結果、基本計画通り事業を進めることなり、昨年7月から基本設計を再開した。
事業スケジュールは、19〜20年度で実施設計を行い、実施設計が完了した段階で着工。順調なら22年度内の完成となる見通し。