白山市は、殿町地内にある松任ふるさと館の大規模改修事業について、新年度の工事着手を目指し、設計を進めている。
国の登録有形文化財に指定されている同施設は、本屋部分(W造瓦葺き2階建て延べ782・7平方メートル)と池や灯篭、庭石を配す和風庭園「紫雲園」がある。全体の敷地面積は3773・6平方メートル。正面の玄関まわりは、銅板葺きの平唐門など宮大工による落ち着いた意匠が施されている。
施設の老朽化を踏まえ今回、再生改修を実施するもので、実施設計を中島建築事務所(金沢市)で進めている。計画によると、建物の補強をはじめ、内部改修や段差解消などのバリアフリー化、玄関・和室内部の建具を修繕するとともに外部の雨戸を取り替える。車いす用のスロープも設置する。設備関連では、エアコンの新設や照明のLED化、上水道の配管の布設替え、多目的トイレの改修などを行う。
JR松任駅前に立地する同施設は、地域の文化団体によるお茶会や催し物、町内会の集会、結婚式の前撮り、コスプレを楽しむ人の写真撮影などに活用され、憩いとくつろぎの場として利用者から好評を博しているという。
市は、設備を含めたリニューアル整備によって施設の安全性と機能性、迎賓館的な要素も高め、さらなる誘客促進につなげたい考えだ。