富山県内の建築関係8団体が主催する2019年「建築富山 新年交流会」が25日夜、富山市の富山電気ビルディングで開催された。建築関係者ら約420人が一堂に会し、「建築界の躍進」をモットーに親睦や交流を深めた。
冒頭、主催者を代表して、県建築士事務所協会の堂田重明会長があいさつに立ち、「昨年は、われわれ建築業界において節目の年だった。昨年末に建築士法が議員立法により一部改正され、建築士試験の受験制度が変わった。また、大阪や北海道の大地震など、大きな自然災害もあった。大阪の地震では、コンクリートブロック塀が倒壊し、小学生が亡くなった。甚大な痛ましい被害だった」と振り返った上で、「富山では大きな地震はないが、日ごろの備えは必要不可欠。災害に強い強靭な富山県づくりに向け、出来るだけ尽力できるよう建築8団体で頑張りたい。本日は懇親を深め、情報交換をしていただきたい」と話した。
来賓の石井隆一知事は、「昨年は懸案だった関西電力黒部ルートの一般開放が解決し、くすりの富山コンソーシアムの取組が全国7プロジェクトのひとつとして採択。満を持して売り出した富山米新品種の「富富富」は、期待以上に好評だった。北陸新幹線開業後、観光客が増え、企業立地も進展したが、何より嬉しいのは、全国的に人口減少が始まる中、富山県ではUターン率が上がり、移住も増えたこと。富山で働き、暮らしたいと、選んでもらえる県のひとつになりつつある。人材の確保・育成にも全力を挙げたい」と語るとともに、「素晴らしい建築を造っていただき、富山県の建築文化がさらに向上し、振興が図られ、県民がより充実した幸せな生活が送れるよう、それぞれの立場でこれまで以上に貢献してほしい」と祝辞を述べた。
県議会の山本徹副議長(議長代理)は、「近年、建築に求められるニーズは多様化している。交流会を契機として、一人ひとりが切磋琢磨しながら、技術の研さんを図り、富山の建築文化の向上のため、より一層活躍していただきたい」と祝辞を寄せた。
その後、秦正徳富山大学学長補佐の音頭で乾杯。参加者は、和やかな雰囲気の中で交流を深めた。
中締めでは、富山電業協会の矢野茂会長の主唱で万歳三唱。県建築士会の近江吉郎会長が返礼の万歳を行った。日本建築家協会北陸支部富山地域会の濱田修会長が閉会の辞を述べた。
なお、共催8団体は、▽県建築士事務所協会▽県建築士会▽日本建築家協会北陸支部富山地域会▽日本建築学会北陸支部富山支所▽日本建築構造技術者協会中部支部北陸部会富山会▽県設備設計事務所協会▽県建築設計監理協同組合▽とやま住まいとまちづくり推進懇話会―。