国土交通省・総務省・財務省が実施した、入札契約適正化法などに基づく実施状況調査(2018年8月1日時点)によると、愛知県内で低入札価格調査制度と最低制限価格制度のいずれも導入していない市町村は豊根村だけとなった。また、予定価格を全案件で事前公表しているのは、愛知県の他、県内54市町村のうち26団体となった。
予定価格は、品確法に基づく運用指針で原則として事後公表を求めている。全案件で事後公表している市町村は13団体となった。前回調査(17年3月)と比べ1団体増えた。前回調査では全案件事前公表としていた大口町が全案件事後公表に変更している。全ての工事で事後公表している県内市町村の割合は24%にとどまる。一部の案件で事後公表している市町村を含めると27団体で、50%となる。全国の事後公表を採用している市町村の割合55・8%を下回る。一方、全案件を事前公表している市町村は名古屋市など26団体。県も全案件を事前公表している。前回調査から2団体減った。予定価格を非公表としている自治体は大治町だけとなっている。
低入札価格調査制度、最低制限価格制度の導入については、前回調査時にはいずれも導入していないと回答していた蟹江町が導入したため、豊根村だけとなった。
低入札価格調査制度の調査基準価格や、最低制限価格制度の最低制限価格を全案件で事前公表しているのは豊山町だけとなった。全案件で非公表としているのは西尾市や蒲郡市など、18団体ある。
総合評価落札方式を未導入の自治体は、前回調査時と同様に、▽豊山町▽大治町▽阿久比町▽南知多町▽美浜町▽設楽町▽東栄町▽豊根村―の8団体。17年度に総合評価落札方式を実施した件数は、豊田市が114件、豊橋市が62件、岡崎市が46件などとなっている。県は756件、名古屋市は386件だった。
17年度の競争入札の平均落札率を見ると、県内54市町村のうち63%に当たる34団体で前年度より上昇している。県、名古屋市の他、豊橋市や瀬戸市、豊田市、東海市などが上昇した。設楽町が99・8%、豊根村が97・4%、半田市が97・2%などと高い落札率となっている一方で、東郷町が80・4%、常滑市が82・9%などと低い状況。80%台となっている市町村が10団体ある。県の平均落札率は91%、名古屋市は91・1%となっている。
同調査は、入契法に基づいて国交省・総務省・財務省が全ての公共工事の発注者を対象に毎年実施している。
提供:建通新聞社