「鳴門市新庁舎建設基本計画検討委員会」(委員長・田中弘之鳴門教育大学副学長)の最終会合が22日、同市役所で開かれ=写真、15日まで実施していた基本計画案に対するパブリックコメントを踏まえ、同計画に立体駐車場の整備検討を新たに盛り込む市の考えなどを了承し、閉会した。これを受けて市は早期に基本計画を決定するとともに、順調なら2月から基本設計者などの委託先を決める選定作業に入る見通しだ。
立体駐車場は自走式を想定。基本計画の「ユニバーサルデザイン」に記載の「駐車場」の項目に、「市役所敷地の有効活用に向け検討する」と追記した他、「耐震・浸水対策機能」のうち「浸水対策機能」に記載の「施設整備の対策」の項目に、「公用車の浸水対策として検討する」と追記した。委員からは、周辺環境(住民)へのアセスメントを前提に、費用対効果や車両台数、BCPも絡めながら検討し基本計画に反映するよう意見が寄せられた。
この他市は、新庁舎建設プロジェクトの事業評価を見える化し市民に分かりやすく伝えるため、バランススコアシートの採用を検討している旨を説明。財務・市民・業務プロセスなど4視点で設定した項目ごとの指標(数値目標)の達成度合いを、「基本計画」「基本設計」「実施設計」「施工時」「竣工時」で評価していく考えを紹介した。また、委員からの意見で基本計画には参考資料として@市民会館や東側にある旧堀部邸、倉庫・車庫の解体撤去A市民会館跡地に新庁舎を建設し、庁舎機能を移転後、現本庁舎を解体撤去B現本庁舎跡地に第一駐車場を整備、その後旧簡裁、保険棟、共済会館、倉庫等を解体撤去C保険棟、共済会館等の跡地に第二駐車場、多目的エリアを整備−といった流れで新庁舎建設を進める工程案を分かりやすく示すことにしている。
市は今後、今月中をめどに基本計画を完成させる一方、計画地の地質調査業務を外注する。続いて2月から基本設計業務とコンストラクション・マネジメント(CM)の各委託先の選定作業に着手する予定。3月中の委託先選定を目指すが、契約は4月になる見通し。この他、より機能的で効率的な執務環境などを実現するため、設計、施工とは別に、執務室・窓口環境などに関する詳細な調査、計画、設計を行うオフィス環境整備業務についても業務委託し、その成果を踏まえ、設計、施工の精度を高めていくことにしている。
各業務の予算は、地質調査費が2000万円、基本設計費が5500万円、コンストラクション・マネジメント(CM)費が1800万円、オフィス環境整備事業費47万円(19〜22年度限度額1173万円の債務負担設定)。
基本計画の策定は大建設計(大阪市西区)が担当。計画案では、新庁舎の規模はおおむね1万〜1万2000平方b。第一駐車場は来庁舎用130台、第二駐車場は公用車用110台を見込む。概算事業費は61億〜62・2億円程度。建設工事費に54億〜55億円程度(床面積1万2000平方b想定、免震構造採用)、外構工事費に3億〜3・1億円程度、解体工事費に4億〜4・1億円程度を充てる。
事業費の財源には20年度までの時限措置となっている「市町村役場機能緊急保全事業」を最大限活用することにしており、同年度までの工事着手を目指し、実施設計と施工を一括で発注するデザインビルド方式により19年度にも事業者選定に着手する予定。順調なら22年度中の供用開始、23年度中の外構工事完了を見込んでいる。
提供:建通新聞社