県の工事成績評定に関する統計で、スロープ状配点を導入した2018年2月以降の全体平均値が81.6点にアップしたことが分かった。改定前の1年間と比べると0.4点の増。各工種の重み付き加減点は、ウエートの高い「施工管理」と「出来形」で平均点が軒並み上昇しており、1月からの考査項目改定を受けた推移にも注目が集まりそうだ。
県の工事成績評定は、18年2月1日から「現場の汗を丁寧に拾って評価」と銘打ったスロープ状配点を導入。従来切り捨てられていた点数を細かく拾うことで、離散的だった重み付き加減点の分布は「裾野が広く、なだらかな山型の分布に改善」されるなど、その効果が表れつつある。
全体の平均値を導入前後で比較すると、改定前(17年2月〜18年1月=2287件)の81.2点から、改定後(18年2月〜12月=1683件)は81.6点まで上昇。工種別でも、変動があった47工種(実績5件以上)のうち、72%を占める34工種で平均値がアップする結果となった。
考査項目別の重み付き加減点の推移をみると、各工種で軒並みプラスとなっていたのが「施工管理」と「出来形」。実績が多い工種では、道路改良が施工管理0.4点増(2.3点→2.7点)、出来形0.3点増(3点→3.3点)となったほか、As舗装は出来形が0.6点(2.7点→3.3点)増えた。建築系では、管の出来形が1.1点増(1.7点→2.8点)と大きく伸びたほか、電気設備は施工管理が0.7点(1.5点→2.2点)増加した。いずれもウエートが高い項目となっているため、ここでどれだけ評点を確保できるかがカギとなりそうだ。
県では1月から、工事成績評定見直しの最終弾として考査項目の内容を大幅改定し、新要領での運用を開始した。その影響も把握するため、全体および工種別の平均値を月次集計し、従前と比較していく方針。「完成検査がピークとなる年度末を迎え、この数字がどう動いていくか注視したい」(土木部工事監査)としている。