横浜市は1月23日、高速鉄道3号線延伸の事業化を決め、概略ルートや概算事業費などを明らかにした。市営地下鉄ブルーライン(BL)をあざみ野駅(青葉区)から小田急線新百合ケ丘駅南口付近(川崎市麻生区)まで伸ばす格好で、川崎市内区間に三つのルート案を用意。このうち有力案とする「東側ルート」で路線延長6・5`、概算事業費1720億円を見込んだ。鉄道事業法や都市計画、環境影響評価などの手続きを進め、2019年度内にルートを1案に絞る。30年の開業を目指す。
高速鉄道3号線の延伸は、東京圏都市鉄道の在り方をまとめた国土交通省・交通政策審議会答申(16年4月)で「意義のあるプロジェクト」の一つと位置付けられた。これを受け横浜市は延長約6・5`の路線と4駅(中間3駅+終点1駅)の整備を想定しながら、17〜18年度に▽ルート▽トンネル工法▽駅の規模―などの路線計画を検討。関係する川崎市との協議を通じて18年度末までに事業化を判断することにしていた。
概略ルートは、あざみ野駅から横浜市内の嶮山付近とすすき野付近の各中間駅を経て、川崎市内の▽中央(6`、1690億円、王禅寺公園付近に中間駅)▽西側(6・3`、1760億円、白山付近に中間駅)▽東側(ヨネッティー王禅寺付近に中間駅)―を通過する3案を用意。いずれも実現可能とした上で、このうち有力案の「東側ルート」については、既存バス路線と連携できる他、周辺まちづくりや隣接2区(宮前、多摩)への利便性の波及も期待できるため「より整備効果が高い案」としている。
また、駅周辺のまちづくりの方向性として▽あざみ野駅=商業・業務・文化機能の集積を中核とする拠点▽嶮山・すすき野付近=生活拠点▽新百合ケ丘駅付近=広域拠点―を挙げた。
事業化の決定を受け同日、川崎市と地方補助の負担割合や駅周辺の基盤整備などに関わる覚書を取り交わした。
提供:建通新聞社