日本工業経済新聞社(茨城)
2019/01/22
【茨城】県本社機能移転補助金/高砂熱学工業など3件認定
県は本社機能移転強化促進補助金について、高砂熱学工業梶i東京都新宿区)、潟買@レオジャパン(東京都渋谷区)、積水化学工業梶i大阪市)の事業計画が認定された。22日、高砂熱学工業の大内厚代表取締役会長兼社長執行役員が県庁を訪れ、大井川和彦県知事から認定書の交付を受けた。同社はつくばみらい市に延べ約1万1600uの(仮称)イノベーションセンターを建設する。
県は本年度、AI・IoT・ロボット・次世代自動車など、新たな成長分野の研究所・本社機能などの県内移転に対し、1社当たり最大50億円を支援する全国でもトップクラスの補助金制度を創設。
これまでに日立オートモティブ電動機システムズ梶iひたちなか市)やクレハエレクトロン梶i東京都大田区)など計5件の移転立地が決定している。
空調工事最大手の高砂熱学工業は2017年、県からつくばみらい市富士見ヶ丘の2万2746・18uを取得。神奈川県厚木市にある既存の技術研究所を移転するとともに、本社機能のうち開発企画・開発部門(新技術開発部、新規事業開発部、IoT・AI開発部等)を移転する。
概算事業費は約90億円。補助見込額は約4億9000万円。補助対象雇用数は約120人。施工は樺|中工務店(大阪市)で、20年3月の供用開始を予定。
大内会長兼社長は「東京へのアクセスが良く、地の利がある。また、2023年に創立100周年を迎えるため、将来への投資でもある」と移転の理由を説明し「つくばの研究機関とのさらなる連携強化を進めたい。近隣には小中学校があるので、体験学習の受け入れなど地域貢献にも取り組んでいく」などと話した。
大井川知事は「本県の事業環境や生活環境などを含めて評価していただいた。大変喜ばしく感じている。地元自治体と一致団結し、しっかりサポートしてまいる」と述べた。
自動車関連システムおよび部品の研究開発・製造・販売などを手掛けるヴァレオジャパンは、先進運転支援システム開発部門を移転。自動運転のテストコースを含む研究開発拠点「茨城先進運転支援システム開発評価センター」を設置する。
設置場所は行方市芹沢の遊休地。概算事業費は約25億円で、補助見込額は約1億3000万円。補助対象雇用数は約45人。供用開始は20年12月。
積水化学工業は、つくば市和台の筑波北部工業団地内に、リチウムイオン電池などの研究開発施設を新設する。
今後、需要の拡大が見込まれるスマートハウスや次世代車載向けのリチウムイオン電池評価部門を新設し、開発体制を強化することでさらなる事業拡大につなげたい考え。
概算事業費は約20億円。補助見込額は約1億円。補助対象雇用数は約12人。供用開始は19年9月。